高野山準別格本山 大聖歓喜(だいしょうかんぎ)尊天祈祷霊場である、妻沼聖天山(めぬましょうでんざん) 歓喜院に詣ってきた。(埼玉県大里郡妻沼町大字妻沼1627 048-588-1644)
当該寺院は、別名 『埼玉の小日光』とも呼ばれ、日本三大聖天のうちの一つに数えられる、日本でも有数の格式高い名刹。 また、古来より縁結びの神様として厚い信仰を集めてもいる。 参考までに巡礼の札所としては、関東八十八大師八十八番(結願の寺)、関東三十三観音第十六番、幡羅新四国第十三番に指定されている。
因みに。 日本三大聖天とは、東京都台東区の本龍院(通称 待乳山聖天)と、奈良県生駒市の宝山寺(通称 生駒聖天)の二ヶ寺に、この歓喜院(通称 妻沼聖天)を含め以下の四ヶ寺のいずれかの寺を入れて云う。又は静岡県小山町の足柄山聖天堂(通称 足柄聖天)又は、三重県桑名市の大福田寺(通称 桑名聖天) 又は、兵庫県豊岡市の東楽寺(通称 豊岡聖天)。 これじゃあ、ややこしいから仲良く日本七大聖天にすりゃあいいのに(笑。
蛇足だが、次の西国巡礼において、奈良県生駒市の宝山寺、生駒の聖天さんが含まれている。 その寺ヘは愛染霊場として参るのだが、有名な聖天さまにもお会い出来るので今からとても楽しみにしている。
そうそう、この寺は去年の関東八十八ヶ所遍路の際にも訪れているので、今回で二度目の巡拝になる。
が、一度目のときは、初めての遍路、駆け出しもいいところで、般若心経を暗誦出来ないどころか、作法すらキチンと知らなかったド素人だった。 増してこの寺院に、とんでもなくご利益の高い、日本三大聖天の一つが祀られているなど全く知らず、恐らくそそくさと巡礼し納経し次を急いだであろうと思う。
今回、聖天山に訪れた目的は、いずれ行く行くは大聖歓喜天を我がご本尊として迎えるべく備えるために、修法や祈祷法、供養法などを習える師僧を探すことである。とはいっても、まだまだインターン僧侶、ヒヨっ子なので、いきなり教示を願いに行ってもぶっとばされるだけで、(笑 まともに相手にしてもらえるわけがない。少々先の話しになろうが、今のうちにアタリをつけておきたかった。
そもそも、歓喜天さまをご本尊に迎えたいと思ったのは、京都巡礼中にお会いした芦屋の知己から、歓喜天の絶大な功徳を聞いて触発され、是非ともその霊験を以って授かり、一切衆生救済に役立てたい。
というのが切欠だった。従って、遍路を始めたとはいえ、今よりはるかに信仰心の低かったド素人の初回巡拝時には、毛頭そんな思惑も大願もあるはずもなかった。
仏壇の引き出しからゴソゴソと、関東八十八ヶ所の分厚い納経帳を引っ張り出してみる。最後のページにしっかりと、ご本尊である「大聖歓喜天」と書されたご朱印がある。な〜んも知らなかった(笑。
左下に手描きで「070708」と日付がある、初めて買った納経帳だ。関東八十八ヶ所を巡礼したのはわずか10ヶ月前のことだが、なんとも穏やかに懐かしい気持ちが蘇る。
江戸時代中期に再建された本殿は、目下今年秋の完成を目指し、平成15年10月より五年がかりで、保存修理の大工事中であり、上屋で覆われているため、現在拝観は出来ない。 総工費は12億円。かなりの額である。そのうち国・県・町の補助金が約9億円あるといい、四分の一にあたる不足金の3億円は歓喜院自ら調達しなければならないと云う。信者からの浄財を募っている。
それほど巨額の費用を捻出する県市町の予算もさながら、寺院だけで3億もの負担は大変なものだ。建造物自体をスケールアップしたりするわけではなくとも、巨額費用の原資はほとんど高価な建材費や、宮大工など高額な職人の人件費によるものなのだろうか。古刹の維持存続も容易ではない。
当日はそういった事情で観れなかったが、本殿側面には、左甚五郎作の「猿を救う鷲」をはじめ、多数の美しい彫刻が施されており、これらの彫刻も、極彩色で保存修理されるそうだ。
遍路のときと全く同様の作法で、口と手を淨め、まず本殿で勤行。
初めてのときは、ご本尊大聖歓喜天さまご挨拶出来なかったので、改めて恭しく住所、氏名、僧名、大願を述べお目通りを乞い願う。
続いて大師堂で勤行。大師堂の中は広く開放されており、四国八十八ヶ所や関東八十八ヶ所の遍路ツアーの案内などが掲示されている。あ、そうそう、何度かご紹介した映画 『空海』 のポスターもあった。この映画は昭和59年の作品のDVD化なので、主演の北大路欣也が若いままのポスターは、ちょっとレトロな感じもする(笑。
納経所でご住職が、電話を終えられるのをしばし待った。
この歓喜院の納経所には、他の寺院同様に御守などは並べられていたが、お札や御影(みえい・おすがた)などの見本はなかった。 が、せめて御影だけでも持ち帰り供養したい。見ると、納経所の中の柱に縦30センチぐらいの御影が貼られていたので、是非こちらを頂きたいとお願いしたところ、快く探し出して下さった。
歓喜天は三面大黒天同様に霊験や功徳の強い分、下手な祀り方をすると祟られるとも云われる。それゆえ、どこの寺院でも秘仏であり、大抵はご本地である十一面観音像が御前立ちとされる。この御影も梵字で歓喜天さまを綴られているだけで、十一面観音が御前立ちになっていた。
早速我が家に大切に持ち帰り、仏間の壁に貼ってお迎えした。 現在我が家には、三面大黒天を始め、大日如来、弘法大師、不動明王、普賢菩薩、千手千眼観音の六体の尊像が祀ってあるが、これらの像を祀ったのも極最近で、ずっと御影やお札でご供養してきた。
紙で出来た札や御影だから功徳が少なくて、仏像の方が強いなんてことはないと思う。あくまで厚い信仰心や揺ぎ無い菩提心によるものだとは思うが、仏像に関しては例えば、素人は30センチ以上の像を持念仏とするべきではないなど、忠告も聞いたことがあるので迂闊に祀らず慎重に供養していきたいと思っている。
『参拝のご注意』
ご本尊は、「本殿」ではなく、中門を抜けて道路を渡った、「本坊本堂」に祀られている。 つまり、本堂はこちらなのだ。良く境内の伽藍配置を把握しておかないと、本殿を本堂と間違えて参拝して帰ってしまう。
自分も帰りに境内図を見直していて気が付いた。 だから初めて来たときに、ここに聖天さまが祀られていることがサッパリ分からなかったかも知れない。
本殿の境内から、押しボタン式信号を渡って100mほど直進して右折したところに、本坊本堂があった。
こちらに重要文化財に指定されている、御正躰錫杖頭(みしょうたいしゃくじょうとう)に収められた、秘仏のご本尊、大聖歓喜天さまがいらっしゃるのだ。(1197年、斎藤別当実盛公の外甥、宮道国平と実盛公の2人の孫により奉鋳寄進されたもの)
さきほど間違って、本殿でご挨拶してしまったが、また改めて勤行とご挨拶を繰り返した。なお、本坊の内拝については、欲油万人講参拝と星供厄除祈願法要の、年に二度しか機会がないそうだ。
境内のいたるところに、四国八十八ヶ所遍路の札所の碑が建っている。
どの寺院名を見ても、あそこであんな事があった、
あの寺は苦労したなど、思い出し、どれもこれも懐かしい。
本堂とは反対側の小山には、十一面観音をご本尊とする「平和の塔」、弁天社、それに甘露の水を表す小さな滝に荒神社と軍茶利明王像が祀られており、広々した境内は見所も多い。
また年間行事も正月には、だるま初売り、新年特別祈祷・朝参り読経会。 春と秋の大祭には、柴灯護摩による火渡りや、初大師縁日、弘法大師正影供(しょうみえく)、青葉祭(弘法大師誕生法要)、先に述べた本坊本堂での欲油万人講参拝と星供厄除祈願法要など、とにかく毎月のように様々な行事がたくさんある。巡礼だけでなく、一般参拝者にも各種イベントに参加しがいのある古刹である。
当該寺院は、別名 『埼玉の小日光』とも呼ばれ、日本三大聖天のうちの一つに数えられる、日本でも有数の格式高い名刹。 また、古来より縁結びの神様として厚い信仰を集めてもいる。 参考までに巡礼の札所としては、関東八十八大師八十八番(結願の寺)、関東三十三観音第十六番、幡羅新四国第十三番に指定されている。
因みに。 日本三大聖天とは、東京都台東区の本龍院(通称 待乳山聖天)と、奈良県生駒市の宝山寺(通称 生駒聖天)の二ヶ寺に、この歓喜院(通称 妻沼聖天)を含め以下の四ヶ寺のいずれかの寺を入れて云う。又は静岡県小山町の足柄山聖天堂(通称 足柄聖天)又は、三重県桑名市の大福田寺(通称 桑名聖天) 又は、兵庫県豊岡市の東楽寺(通称 豊岡聖天)。 これじゃあ、ややこしいから仲良く日本七大聖天にすりゃあいいのに(笑。
蛇足だが、次の西国巡礼において、奈良県生駒市の宝山寺、生駒の聖天さんが含まれている。 その寺ヘは愛染霊場として参るのだが、有名な聖天さまにもお会い出来るので今からとても楽しみにしている。
そうそう、この寺は去年の関東八十八ヶ所遍路の際にも訪れているので、今回で二度目の巡拝になる。
が、一度目のときは、初めての遍路、駆け出しもいいところで、般若心経を暗誦出来ないどころか、作法すらキチンと知らなかったド素人だった。 増してこの寺院に、とんでもなくご利益の高い、日本三大聖天の一つが祀られているなど全く知らず、恐らくそそくさと巡礼し納経し次を急いだであろうと思う。
今回、聖天山に訪れた目的は、いずれ行く行くは大聖歓喜天を我がご本尊として迎えるべく備えるために、修法や祈祷法、供養法などを習える師僧を探すことである。とはいっても、まだまだインターン僧侶、ヒヨっ子なので、いきなり教示を願いに行ってもぶっとばされるだけで、(笑 まともに相手にしてもらえるわけがない。少々先の話しになろうが、今のうちにアタリをつけておきたかった。
そもそも、歓喜天さまをご本尊に迎えたいと思ったのは、京都巡礼中にお会いした芦屋の知己から、歓喜天の絶大な功徳を聞いて触発され、是非ともその霊験を以って授かり、一切衆生救済に役立てたい。
というのが切欠だった。従って、遍路を始めたとはいえ、今よりはるかに信仰心の低かったド素人の初回巡拝時には、毛頭そんな思惑も大願もあるはずもなかった。
仏壇の引き出しからゴソゴソと、関東八十八ヶ所の分厚い納経帳を引っ張り出してみる。最後のページにしっかりと、ご本尊である「大聖歓喜天」と書されたご朱印がある。な〜んも知らなかった(笑。
左下に手描きで「070708」と日付がある、初めて買った納経帳だ。関東八十八ヶ所を巡礼したのはわずか10ヶ月前のことだが、なんとも穏やかに懐かしい気持ちが蘇る。
江戸時代中期に再建された本殿は、目下今年秋の完成を目指し、平成15年10月より五年がかりで、保存修理の大工事中であり、上屋で覆われているため、現在拝観は出来ない。 総工費は12億円。かなりの額である。そのうち国・県・町の補助金が約9億円あるといい、四分の一にあたる不足金の3億円は歓喜院自ら調達しなければならないと云う。信者からの浄財を募っている。
それほど巨額の費用を捻出する県市町の予算もさながら、寺院だけで3億もの負担は大変なものだ。建造物自体をスケールアップしたりするわけではなくとも、巨額費用の原資はほとんど高価な建材費や、宮大工など高額な職人の人件費によるものなのだろうか。古刹の維持存続も容易ではない。
当日はそういった事情で観れなかったが、本殿側面には、左甚五郎作の「猿を救う鷲」をはじめ、多数の美しい彫刻が施されており、これらの彫刻も、極彩色で保存修理されるそうだ。
遍路のときと全く同様の作法で、口と手を淨め、まず本殿で勤行。
初めてのときは、ご本尊大聖歓喜天さまご挨拶出来なかったので、改めて恭しく住所、氏名、僧名、大願を述べお目通りを乞い願う。
続いて大師堂で勤行。大師堂の中は広く開放されており、四国八十八ヶ所や関東八十八ヶ所の遍路ツアーの案内などが掲示されている。あ、そうそう、何度かご紹介した映画 『空海』 のポスターもあった。この映画は昭和59年の作品のDVD化なので、主演の北大路欣也が若いままのポスターは、ちょっとレトロな感じもする(笑。
納経所でご住職が、電話を終えられるのをしばし待った。
この歓喜院の納経所には、他の寺院同様に御守などは並べられていたが、お札や御影(みえい・おすがた)などの見本はなかった。 が、せめて御影だけでも持ち帰り供養したい。見ると、納経所の中の柱に縦30センチぐらいの御影が貼られていたので、是非こちらを頂きたいとお願いしたところ、快く探し出して下さった。
歓喜天は三面大黒天同様に霊験や功徳の強い分、下手な祀り方をすると祟られるとも云われる。それゆえ、どこの寺院でも秘仏であり、大抵はご本地である十一面観音像が御前立ちとされる。この御影も梵字で歓喜天さまを綴られているだけで、十一面観音が御前立ちになっていた。
早速我が家に大切に持ち帰り、仏間の壁に貼ってお迎えした。 現在我が家には、三面大黒天を始め、大日如来、弘法大師、不動明王、普賢菩薩、千手千眼観音の六体の尊像が祀ってあるが、これらの像を祀ったのも極最近で、ずっと御影やお札でご供養してきた。
紙で出来た札や御影だから功徳が少なくて、仏像の方が強いなんてことはないと思う。あくまで厚い信仰心や揺ぎ無い菩提心によるものだとは思うが、仏像に関しては例えば、素人は30センチ以上の像を持念仏とするべきではないなど、忠告も聞いたことがあるので迂闊に祀らず慎重に供養していきたいと思っている。
『参拝のご注意』
ご本尊は、「本殿」ではなく、中門を抜けて道路を渡った、「本坊本堂」に祀られている。 つまり、本堂はこちらなのだ。良く境内の伽藍配置を把握しておかないと、本殿を本堂と間違えて参拝して帰ってしまう。
自分も帰りに境内図を見直していて気が付いた。 だから初めて来たときに、ここに聖天さまが祀られていることがサッパリ分からなかったかも知れない。
本殿の境内から、押しボタン式信号を渡って100mほど直進して右折したところに、本坊本堂があった。
こちらに重要文化財に指定されている、御正躰錫杖頭(みしょうたいしゃくじょうとう)に収められた、秘仏のご本尊、大聖歓喜天さまがいらっしゃるのだ。(1197年、斎藤別当実盛公の外甥、宮道国平と実盛公の2人の孫により奉鋳寄進されたもの)
さきほど間違って、本殿でご挨拶してしまったが、また改めて勤行とご挨拶を繰り返した。なお、本坊の内拝については、欲油万人講参拝と星供厄除祈願法要の、年に二度しか機会がないそうだ。
境内のいたるところに、四国八十八ヶ所遍路の札所の碑が建っている。
どの寺院名を見ても、あそこであんな事があった、
あの寺は苦労したなど、思い出し、どれもこれも懐かしい。
本堂とは反対側の小山には、十一面観音をご本尊とする「平和の塔」、弁天社、それに甘露の水を表す小さな滝に荒神社と軍茶利明王像が祀られており、広々した境内は見所も多い。
また年間行事も正月には、だるま初売り、新年特別祈祷・朝参り読経会。 春と秋の大祭には、柴灯護摩による火渡りや、初大師縁日、弘法大師正影供(しょうみえく)、青葉祭(弘法大師誕生法要)、先に述べた本坊本堂での欲油万人講参拝と星供厄除祈願法要など、とにかく毎月のように様々な行事がたくさんある。巡礼だけでなく、一般参拝者にも各種イベントに参加しがいのある古刹である。
コメント
コメント一覧 (2)
慈泉です。
得度してからアッと言う間に二ヶ月が過ぎました。早いものですね。
私は毎日、日々の生活に追われすっかり俗世の下僕となり、僧侶とは程遠い生活をしております。
そんな私に比べ、相変わらずのパワー、さすがです。どっぷりと真言宗の世界に浸られいらっしゃる。その勉強量。見習わなくてはいけないと反省。
4月から職場の部署が変わり、ありえない忙しさにグチ子となり、般若湯に走る毎日。改めなくっちゃ。
ここでパワーを頂いて帰ります。
また、寄らせて頂きます。
合掌
拝復
慈泉さま
ご芳情、感謝致します。
お元気でいらっしゃいますか?
愚痴の心を戒める。とても難しいですね。
女性の愚痴は男より許されても良いのでは。
男でも口にします。
俗世を離れ、早く巡礼へ行きたいと云うのも
愚僧の愚痴に他なりません。
まだまだ精進が足りません。
心の鍛錬も大事ですが、まずは身体が資本、
お身体だけは充分ご自愛くださいね。
感謝合掌
法蓮 百拝
日々の生活に追われてバタバタです。
聖天さん、行かれたのですね・・・
羨ましい・・限りです。
生駒聖天にありました、聖天利生記とおろかもの
郵便でお送りしましたので・・・
よかったら、読んでください。
ではまた・・
テル
拝復
テルさま
お久しぶりです。
平素変わらぬご愛読に感謝いたします。
いつも頂戴してばかりで申し訳アリマセン。
楽しみにお待ちしております。
感謝合掌
法蓮 百拝