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 左の地図は、先日ご報告した、次回の巡礼『西国三十三観音+愛染十七霊場』の全寺院を、マッピングしたものである。ピンの色分けはそれぞれ、黄色=西国、赤色=愛染、青色=番外霊場となっている。
 こうして全体図を眺めた方が順路も決め易い。まぁいつものように多少前後するかも知れないが、ほぼ大まかな順路も下記のように決まった。


 現在の西国三十三観音霊場は、室町時代以降に東国(関東)より、伊勢詣りを兼ねて那智の青岸渡寺から始めるコースが定着しており、そのまま「西国」の名称由来になったと云われている。従って、順路は上方の東国、つまり関東人にとって都合の良い巡り順になっている。
数多くある巡礼の中でも、最も歴史の古い西国巡礼。その始まりは、史実には乏しいが伝承によれば、718年(養老2年)大和(奈良県)長谷寺の徳道上人が、臨終の床にあったとき、閻魔大王から「罪を重ね地獄に墜ちる者が多いから、観音さまとのご縁を結ばせ、極楽浄土への手引きをせよ」と感得され、三十三の宝印を授かり現世に戻って霊場を定めたとされる。

 が、当時の人々の信頼を説き切れずに、二十四番中山寺(兵庫)の石櫃に、宝印を納めてしまったため、実際に人々の巡礼が広まって行くのは、約270年後の1090年(寛治4年)から史実に「観音霊場三十三所巡礼記」と記録されるのが最初である。この時の巡礼は、第一番は長谷寺(現八番)であり、第三十三番は三室戸寺(現十番)であった。
本土から海を渡る、四国八十八ヶ所と違って、スタートも順路も巡礼者の居住地によって、バラバラになろうかとも思う。例えば岡山県の人が、兵庫・京都を飛ばして、わざわざ伊勢から始めるのもどうかと思うし、四国ほど順路にこだわる必要はないであろう。
しかも、自分の場合は、せっかく関東から進入して順路通りに巡れなくもないのに、愛染十七霊場と合わせて巡礼するので、以下のようにてんでバラバラな順路になった あまり居ないであろうが、もし、自分のように一緒に巡るような奇特な方がいらっしゃれば、参考にしてちょうだい(笑。


西国三十三観音+愛染十七霊場 
全五十五ヶ所一挙巡礼参照コース(関東方面より)
*「西=西国」「愛=愛染」
*西国番外三箇所と、個人的な番外三箇所含む

1 伊勢神宮
2 西1.青岸渡寺
3 西2.護國院
4 西3.粉河寺
5 愛16.福智院
6 愛17.金剛三昧院
7 西4.愛15.施福寺
8 西6.南法華寺
9 西7.龍蓋寺(岡寺)
10 西8.長谷寺
11 西番外.法起院
12 西5.葛井寺
13 愛1.勝鬘院・愛染堂
14 愛14.宝山寺
15 愛13.西大寺
16 西9.興福寺
17 愛11.愛染院
18 愛10.地蔵院
19 西32.観音正寺
20 西31.長命寺
21 愛-9 覚性律庵
22 番外 愛染院
23 西14.園城寺三井寺
24 番外 円満院門跡
25 西13.石山寺
26 西12.正法寺
27 西10.三室戸寺
28 西11.醍醐寺
29 西番外 元慶寺
30 西15.観音寺
31 西16.清水寺
32 西17.六波羅蜜寺
33 西18.紫雲山頂法寺
34 西19.行願寺
35 愛-8 東寺
36 西21.穴太寺
37 西20.善峯寺
38 愛-12 久修園院
39 西22.総持寺
40 西23.勝尾寺
41 西24.中山寺
42 愛-2 東光寺(門戸厄神)
43 愛-3 鏑射寺
44 西番外 菩提寺
45 愛-4 摩耶山中院
46 愛-5 大龍寺
47 愛-6 正覚寺
48 西26.一乗寺
49 西27.圓教寺
50 愛-7 大聖寺
51 西25.清水寺
52 西28.成相寺
53 西29.松尾寺
54 西30.宝厳寺
55 西33.華厳寺


〜編集後記〜
マッピングしていたら、幸いなことに西国四番札所と、愛染十五番札所の施福寺が重複していたのと、個人的な番外としてお礼参りに訪ねる円満院門跡が、西国十四番の園城寺(三井寺)と隣同士と至極至近距離にあったことなど、この二箇所は一粒で二度美味しいグリコ巡礼となった。

 東寺は今度で三度目だし、清水寺(京都)や六波羅蜜寺などは、前回の京都チャリンコ巡礼で巡った寺である。また、再び訪れる事が出来るのがとても嬉しいし、今回も京都に限っては、ホテルに車を預けてチャリンコで走りまわそうと思っている。そうそう、前回見つけられなかった、宝ヶ池の北にある「愛染院」も、今回しっかりリベンジする。

 父の故郷である奈良の古寺や、知られざる深い歴史を持つ、近江(滋賀)の古刹巡礼も、久しぶりに笈摺の袖に手を通すのが、今から愉しみで愉しみで仕方ない。
とはいえ、あくまで巡礼なので勿論、西国巡礼では観音経全文を唱えるし、愛染霊場では佛説明王陀羅尼愛染経を唱えて巡るし、一切観光はしない。
本当はせっかく琵琶湖まで行くのだから、安土城跡も行きたい。・・本音を云えば、行きたくてたまらない(笑 が、好きな信長の足跡を辿る旅は、もっともっと修行を終えるまで我慢我慢。

 愛染巡礼では、高野山が二箇寺含まれている。
この機を逃す手は無い。得度させて頂いた常喜院にもご挨拶に伺い、その足で円通律寺へ出向き、あわよくば吉田監事先生に直談判して、四度加行の面接に漕ぎ着けてしまれば御の字である。と、密かに企んでいる。