高野山の帰り南海高野線難波駅で、東京へ帰る小林阿闍梨やスティーブンさんらと別れ、一人大阪ミナミに残った。
その間ど〜も、得度式で傷めた右足の痛みが取れんな〜と思っていたら、左足と比べてみると一目瞭然、パンパンに腫れてロボコンか、ドラえもんみたいな足になっていた(笑。

腫れた足(笑 結局、高崎へ戻ってからシップを貰いに近所の接骨院へ行ったら、「甲骨が三箇所、ズレてますね〜全治一ヶ月ってとこですか、また三日後に来て下さい。」と、云われた。

はぁ〜?
正座が原因で、骨がズレるぅ?全治一ヶ月ぅ?
やせ我慢して、立ち上がったとき踏ん張ったら、四本ある甲の骨のうち、三本がズレてしまったらしい。
え・え〜〜?ありえないんですけど・・・

「余程、無理な姿勢で荷重の負担が大きかったんでしょう」「無理して歩いたりしませんでしたか?」・・・思いっきり歩きました(笑。
「フツー、ここまでならないんですけどね〜」とまで云われた。


包帯巻いた足(笑 んで、結局テーピングでグルグル巻きにされてこうなった(笑。
なっさけないな〜全く。 

こんなんじゃ、これからの修行どないすんねん?って感じや。
今回、運よく恵まれた「えにし(ご縁)」によって、無事に得度を果たしたといっても、それは単なる通過点にも及ばず、真言密教の僧と認められるには、まだまだ先は長く、四度加行(しどけぎょう)=十八道・金剛界・胎蔵界・不動法付護摩の四段階(百日修行)を経て、ようやく、伝法灌頂を受法する資格が与えられるのである。
この四度加行には、それぞれに加行・正行があり、これに併せて理趣経法加行も行い、伝法灌頂檀に入檀して、伝法阿闍梨位を得られる。
同じ密教でも、天台宗(台密)では、初めの一ヶ月で顕教を、後半一ヶ月で密教を学び、一日に三千回の五体投地をする三千仏礼拝行などがある。


 雲伝神道の開祖であり、能書家としても知られる、、慈雲曰く、「事相を離れて教相なく、教相を離れて事相なし、事教一致して、密義をつくすべき」 と、されているように、真言密教(東蜜)を学ぶ上において、「事相」と「教相」は非常に重要視される。
事相は、教相の対語で、真言密教を実践する方法。
いわば修法の作法である、灌頂・護摩・観法・印契・真言などの行法を指し、教相は、真言密教の理論である。
密教や空海に興味のある方なら良くご存知の、真言宗主要経典「大日経」は教相の経典であり、また「金剛頂経」は事相の経典である。


 今回、得度した常喜院の加藤住職の話では、一般人で百日行まで進んだ人間はほとんど居ないと云う。 だが、我がグルとなった小林阿闍梨は、既に「阿闍梨」なのだから、見事これを満行されたのだ。事業もされているので、10日間づつ区切られたそうだが、弘法大師より数えて46代目の伝法灌頂を受けられている。自分も是非、そこまで挑戦してみたい。生きている限り、例え蟻の一歩でもお大師さんの元へ近づきたい。

本来、寺院に生まれ、住職を引き継ぎ寺を守るのが、自然な流れの代々家系の僧侶なら、高野山大学へ行ったり、それなりの学びを受けるわけだが、我々のようなド素人でも、前述の厳しい行をこなせば門扉は開かれている。
私利私欲よりも世の為、人の為、日ノ本阿国のためと大義に生きると、我が半生を神仏に捧げたのならば、いつまでもド素人の自己満的な個人修行では、真の導くものにはなれない。そう思えてきた。


 四度加行は真言密教僧侶にとって必修であり、基本中の基本修法である。今回の得度やいわゆる授戒は、この四度加行を行うための、ただのパスポートに過ぎない。

 因みに、小林阿闍梨の話しでは、厳格な四度加行に入ると四時間の正座がザラにあるらしい。
 げげっ!・・その前に、骨治さんと。。いつまでも鼻ッタレ小僧のままじゃ(笑


〜おまけ〜
 皆さんは、阿闍梨と僧侶の違いをご存知だろうか?
聡明な読者さんたちは、とっくにご存知だろうが、自分は最近まで何のことか、サッパリ知らなかった。 ただ、言葉として「阿闍梨」と聞いたり読んだりしたことがあっただけだ。 しかし、それだけでも、「阿闍梨」と云う、言葉には響きからして、何か高貴で秘密めいたイメージを持っていた。ナンだか良く分からなくても、素直にカッコいいよね。聞いただけでも。

阿闍梨(あじゃり)とは、「梵語:ācārya(アーチャーリャ)阿闍梨耶とも音写する」日本語で「規範」の義で、能く子弟を糾正する意を表し、僧侶になるための「修行の師」となる高僧を指す。天台宗や真言宗で使われる呼び方で、僧侶の位のひとつ。元々は古代インドの仏教教団において、生活作法や宗教行儀を教える者を指したが、現在我が国では主として密教(東密・台密)における、一定の修行段階に達した高僧に与えられる官職称号。

我が国における阿闍梨
教授阿闍梨・・・法を教授する師範
伝法阿闍梨・・・教授から伝法灌頂を受けた者
七高山阿闍梨・・祈願の勅命を与えられた導師
一身阿闍梨・・・貴種名徳の人を特別に推選して称した(後白河法皇など)
つまり、一般的になれるのは「伝法阿闍梨」であり、その中でも突出した徳の高い阿闍梨を、大阿闍梨と呼ぶ。(千日回峰を二度満行した酒井大阿闍梨など)