群馬県高崎市にある、少林山達磨寺(黄檗宗)にて、恒例の新春方位厄除けに行ってきた。他県の方でも、ご商売などされている人なら、「達磨出現の霊地」として圧倒的に有名な、この少林山達磨寺の事は良くご存知であろう。
また、星祭り祈祷の方位除けもご利益が高いことから、旧暦の正月前は連日本堂の中は祈願者で混雑する。我が家の方位除けは例年、混雑が緩和された節分明け。今まで女房と義母に任せっぱなしで、実は初めて今年参加した。

この寺は、四国歩き遍路に出る前に座禅会や、歩行トレーニングで何度か訪れている。北辰鎮宅霊符尊(ほくしんちんたくれいふそん)と、達磨大師をご本尊とする黄檗宗の寺だ。


寺務所にて受付
166a810e.jpg 少し早めに行って広い待合室のある寺務所で、受付を済ませる。この待合室には図書棚があり、相当数の仏教に関する書物が自由に拝読出来る。トレーニング中は、よく休憩しながら長々と居座り読書していた(笑。 午前一番の受付だったが、三組の祈願者がいた。相変わらず、ここのご住職の声(お経)は最高だ。前にもご本人に話したことがあるが、まるでお経をあげるために生まれたような、素晴らしい声質なのだ。




本堂へ移動
1fff447e.jpg それに加え、このご住職は必ず祈祷前に「呼吸法」を施して下さる。これは、他の祈願時や座禅会とときも同様だ。ご住職自身が神仏と向き合う際、大切に心掛けていらっしゃることなのでもあろう。先日山伏体験修行にお邪魔した、長生山 三重院のご住職も、「呼吸」はとても重要だと語られていた。
「息が合う、合わない」とは、良く云うが、祈る側の呼吸が乱れていては、願いも届き損なう。と、いうこともあるらしい。遍路でも参拝時でも、手や口を淨めると同様に、姿勢を正し、呼吸を整え、一糸乱れぬ静かな落ち着いた心で手を合わせるのが大切なのだと。
おぉ・・そうだ。すっかり忘れていた。日々の勤行も、大悲慈悲の気持ちだけでなく、呼吸法も取り入れていくべしと。明鏡止水(めいきょうしすい)の如く。


▼自宅で出来る「方位厄除け〜淨めの品の撒く手順」
 神棚への祀り方
帰宅したらまず、祈祷札を神棚に安置し、次の物を神前に予めお供えしておく。
一、洗米一合以上(洗った米を良く水を切り、乾燥させて皿に盛る)
二、塩少々(小さな山になるよう、小皿に盛る)
三、祈祷札はお社の左側に祀る
四、正面から見て「灯明」を両端に、その間に左から「塩」「水」「洗米」と並べる

 淨めの品、調合方法
注意:
方位除け、お淨めの時刻は「丑の刻」。丑三つ時はみなさん最もご存知であろう、午前二時に開始する。それまでに、身体も淨めて置かねばならない。出来るなら風呂上りに、酒は勿論、何も食さない方が望ましい。何か食べてしまったら、直前に手と口を濯いで浄化しておく。エッチも自粛するのは云うまでもない(笑。

915a6223.jpg 丑三つ時になったら、次の要領で淨めの品を調合する。
一、まず、灯明(ろうそく)を点け、新しい水をお供えし、呼吸を整え心を落ち着かせて良く良く祈る。
二、洗米を耐熱用の別の器に移し、その中で『歳祭 御神護守入』と記された『御焼符(おやきふ)』を、灯明の火で文字の下から燃やす。*この御焼符は、常時祀っておく木札とは別に頂ける。
三、灰になった御焼符に、お供えしていた塩を入れ、全てを良く混ぜ合わせる。


 淨めの品の撒く手順
一、原則
玄関を背にして、敷地境界線から時計回りに敷地の外周全てを囲むように撒く(淨める)。今、家が建ってなくても、今後の建築用地がある場合なども同様に撒く。
*住居が一戸建てでない場合
マンション、アパートなどは、淨めの品を四等分して白い紙に包んで、「おひねり」を作る。寝室の四隅に十日間安置する。その後、そのまま「おひねり」を近くの川へ流すか、大きな木の根元に埋める。
二、撒くときは、清らかな気持ちで願いを込め、手の平は上向きに右手で撒く。
*土地の大きさによっても異なるが、当然一周する前に、淨めの品がなくならないよう、分量を加減しながら撒く。

 その他、留意すべき点
○淨めの品を撒くのは、星の見える夜が望ましい。祈祷当日でなくとも数日待って極力、星明りの元で撒く。
○地鎮祭や着工する前に撒く。大安・仏滅など日の吉凶は気にしなくもよい。
○本来、方位除け〜歳祭の祈祷札は、家を守る=家内安全と、そこに暮らす家族全員の厄除けを願う物なので、丑の刻は通常みな就寝時間だが、この日だけは極力家族全員で心合わせて撒くのが良い。少なくとも一家の主は中心に行なうべきであろう。かくいう自分も、神仏に目覚める前からこれだけはやっていた。(あまり真面目には、取り組んではなかったが・・(苦笑)