【少林山達磨寺(黄檗宗おうばくしゅう)】 
 七草大祭だるま市や、焚き上げ供養<どんどん焼き>などで、他県でも知らない人は居ないほど有名な「少林山」の早朝座禅会に初参加してきた。(詳細は記事後半にて)高崎や群馬県内では、達磨寺とは呼ばず「少林山(さん)」と親しみを込めて呼ぶ人が多い。前述の行事日などには、相当な人出で大混雑する。達磨出現の霊地として、高崎だるまは全国80%ものシェアを誇り、年間130万個が生産されている。

またこの寺は、達磨大師と共に方位除けの守護神、北辰鎮宅霊符尊をご本尊として祀っているため、方位除けや厄除け祈祷でも有名で旧暦の年明け(今年2008年は2月7日)には、一年の無事や方位除けを祈願する「祈祷法要」で賑わう。この法要は実は毎日施されており、午前9時、10時、11時〜午後2時、3時、4時の六回で、各30分前までに受付を済ますといつでも祈祷して頂ける。特に方位除けは祈祷法を伝授され、自宅に祈祷済みの札を持ち帰り、焼いた札に洗米と塩を混ぜて庭の四方に撒く実務的なものである。


 自分がまだまだ、神仏への信仰心を持たずに居た頃から、義理の母や女房が特に熱心に毎年祈祷法要に訪れていた。例年仕事で殆ど行ったことも無く、全部女房任せだった。もっとも、神仏への信仰心自体が薄かったのだから、あまり関心すらなかった。商売をしているので、神棚は事務所や店に置いていたが、当時は熱心に手を合わせる事も少なかった。

▼座禅会
 早朝座禅会は、毎朝(秋分〜春分までは6時から)行われ、誰でも参加でき無料だ。この座禅会の前に本堂で勤行があるので、それにも参加するには尚一時間早く出向く必要があった。


 少林山達磨寺まで、自宅から車で30~40分程度。この日は頑張って、いつもより更に早起きして自宅の勤行を済ませ飛び出したが、到着すると5時を少々廻っていた。
本堂(霊符堂)に入ると既に勤行が始まっており、数人の熱心な信者と見受けられる方々がご住職と拝んでいた。みないつも参加されている人たちのようだ。こっそりひっそり、一番後ろに座らせてもらい読経を始めたが、全く経本が読めない。和訳でなく漢訳なのか、般若心経でさえ中国語に聴こえる。

それもそのはず、黄檗宗[おうばくしゅう]は達磨大師の教えを受け継ぐ、禅宗(臨済宗[りんざいしゅう]や曹洞宗[そうとうしゅう])のひとつで、中国福建省より渡来した隠元禅師「いんげんぜんじ」によって開宗されているもの。平素、真言密教を信仰する自分には全く未知の経だった。
本堂での読経がワケが分からないまま終わると、一面観世音菩薩を祀る観音堂へ移動した。ここにも、また数人の信者が待っていた。観音堂でも般若心経を唱えたが、今度は聞きなれた「かんじーざいぼーさー〜」から始まる読経の仕方だったので付いて行けた。


 更に大きな二階建ての瑞雲閣(寺務所)へ移った。この二階に座禅室があるようだ。ご住職が大講堂との渡り廊下にある、鐘楼で鐘を衝いている間に、信者達は四方に散り、手馴れた素振りで窓を開けテキパキと支度をして行く。
自分は何をしていいのか分からず、手伝いましょうか?と声を掛けると「早く靴下を脱いで、荷物は持って入らないで」と、一人に促された。親切と云うよりむしろ、他所モン扱いで素っ気無い。
この人には、帰りにまた声を掛けられ「今度から遅刻したら本堂に入らず、観音堂の前で待っているように」とも云われた。それが暗黙の掟らしい、だから待っている人が居たのか。だが、当のご住職には何も文句は云われてない。放っとけ馬鹿野郎!って感じだ、常連だかナンだか知らねーが、いけ好かねーババアだ全く。


 本来この座禅会は、初心向けと記されていて、ご住職が呼吸法から何から丁寧に教えて導いて下さる。前半40分の坐禅と後半20分の講話<六祖壇経>があり、帰りにご住職になぜか「真言の方ですか?」と訊かれ、「はい、修行中です」と応えると、「そのようですね、またいつでもいらっしゃい」と言って下さった。あのお節介なババア以外は、有意義な初めての座禅時間だった。不悪口不悪口不悪口(ふあっく)相変わらず、十善戒の内これだけは守れない。ごめんなさいお大師さん。

少林山達磨寺、早朝座禅会参加ご希望の方は、ご住職が出張で不在の事もあるので、予め電話にて詳細をご確認下さい。TEL 027-322-8800


【北辰鎮宅霊符尊について】
七曜の紋を家紋とする、我が家の守護神(氏神)でもある。北辰鎮宅霊符尊とは、北極星(北辰)=天帝と見なし、北斗七星を神格化した方位除けの守護神。古代中国の思想では人間界の上にある天界において、その星々の運行の中心は不動の星・北極星であるとして、人間世界を含め過去・現在・未来の三世[さんぜ]の吉凶禍福や運勢、さらに家相・方位の全てを司る存在として信仰されていた。仏教における、天部に属する北辰妙見大菩薩。「妙見」とは「優れた視力」の意で、善悪や真理をよく見通す者ということである。
また、日本の陰陽道においても、ご存知の一白水星、二黒土星、三碧木星、四緑木星、五黄土星、六白金星、七赤金星、八白土星、九紫火星の9種類の本命星に分類され、その星の運行によって運勢・運命が変わると考えられ、善星を招いて幸福を守護し、悪星を除いて悪事災難を除く大威徳を具えるとされる、九星気学が良く知られている。