先日、三面大黒天及び大黒天の、最も簡単な祈祷法(招福法)と大国天神経について触れたが、今日はもう一歩進んだ祈祷法をご紹介しよう。

 三面大黒天から福を招き、ご利益を得る招福法には甲子祭など寺院で行われている、難しい修法も含めて幾つもあるが、ここでは特別な専門知識が無くても、比較的素人でも出来る方法をお教えする。
但し断っておくが、特に三面大黒天はご利益が非常に高い反面、フザけた気分や遊び半分な祀り方を行うと、霊障が起き尊天から戒めを受けると云われている。脅かすワケでもなくあくまで一説だが、同じやるなら真面目に心から切に願いを乞い奉る、そんな気持ちが必要なのは云うまでもなく、疑心暗鬼や冗談半分では、ご利益に授かれるなどあろうハズがない。信じる者こそは救われるのだ。本来はマハーカーラ(偉大なる暗黒)「大暗黒天」とも呼ばれる、戦闘と死を司る神であることをお忘れなく。

 摩訶迦羅の話しが出たところで、本当の大黒天のお姿は、現在のイメージと全くかけ離れた、恐ろしい形相をしているのをご存知だろうか?現在でこそ大黒天は、福与かな表情で優しい微笑みを湛え、七福神を始め庶民に親しまれてきた。また神道では、大国主命信仰(おおくにぬしのみこと)と、仏教では天部の守護神として習合され民族信仰化し、日本文化に深く根付いてはいるが実は全く違うのよ。本来はヒンドゥー教シヴァの分霊神、夜の化身で憤怒の表情をしているのだ。


摩訶迦羅天 画像が少々見難くくて申し訳ないが、これが胎蔵界血曼荼羅(金剛峯寺)における三面大黒天である。三面三目六臂(三つの目、三つの顔、六つの手)で、二本の牙をむき出し、青黒い肌に炎のように逆立った髪、胸にドクロを貫いた瓔珞(ようらく=ペンダント)を着け、腕に毒蛇の臂釧(ひせん=ブレスレット)、右手は跪き合掌する、人間の頭髪を容赦なく引っ掴み、左手にもだらんと子羊の角をぶら下げている。更に別の両手で鋭い剣を持ち、白象の革を剥いだマントを羽織ろうとしている。とても今の「大黒さん」からは、想像もつかないお姿であり、完全に戦闘神の様相を呈している。また摩訶毘盧遮那(まかびるしゃな=サンスクリット語Vairocanaバイローチャナ=光明遍照=大日如来)の化身ともされる。


三面大黒天の話しをし出すと枚挙に暇がなく、また脱線しまくった前置き長すぎやっと本題かい!(笑。 
実は太閤秀吉と三面大黒天の関係も、実に興味深いが、ここでは割愛し後日まとめよう。


aab0b56e.jpg 33a2b69f.jpg


【大黒天一時千座行】
やっと始まる(笑 ここに紹介する祈祷方法は一般的な物であり、宗派や寺院によっても若干修法の手順など、違いが生じることもあるらしい事も付加えておく。出来れば「子の刻」午後11時〜深夜1時に行い、ご本尊は当然開眼した三面大黒天、若しくは大黒天であるべき。

1、まず黒豆と米をそれぞれ千粒用意する。ナンだか料理番組みたいだが、キチンと数えなければならないので、これが結構大変だ。慎重にやらないと、落したり手に引っ付いてたりして、数えなさないとならなくなる。特に米は小さいのでピンセットで掴んだ方が良い。大体一合の三分の一カップで千粒だった。それぞれ水で清め、残った水分を切ってお供えする。
3、勿論、自分自身の心身も清める。時間も時間だし風呂上りが良かろうね。清潔な衣服(出来れば白が望ましい)を着用し、香を焚き灯明を照らし、塗香を着ける。
これで準備万端。


【外五鈷印】64f4094e.jpg
〜護身法と唱え方〜
1、外五鈷印を結び「七難即滅しちなんそくめつ〜あびらうんけん」

【智拳印】金剛界大日如来fd7a1027.jpg
2、智拳印を結び「七福即生しちふくそくじょう〜ばざらだとばん」
「無所不所不至おんまかきゃらやそわか」

【八葉印】観世音菩薩0c4cca73.jpg
3、八葉印を結び「普利衆生ふーりーしゅうじょう〜おんまかきゃらやそわか」
「皆令離苦得安穏楽世間之楽及涅槃楽かいりーくーとくあんのんらく せけんしーらくきゅうねはんらく」

【金剛合掌印】b0864719.jpg
4、金剛合掌印を結び「ばんらたらくきりあく」と唱える。




以上が【大黒天一時千座行】のひとつ。
本番よりもむしろ、準備に時間がかかる(笑。 実は大黒天一時千座行だけでも、この他にも色々祈祷法がある。印相(印契)の結び方についても、合わせて折りに触れ解説していきたい。今日はこれまで。たまには仕事に行こう(爆。