お待ちかね、【遍路用品】=持参品についてまとめてみた。
出発前は誰しも不安なもの。自分も、充分に選別して行ったつもりだった。しかし実際に、歩き遍路の旅を重ねると、やはり不要だった物や持参すべきだった物もあった。それらを集約し、皆さんへお伝えするので少しでも役立てて頂戴。

 経験に基づいた綿密な説明を加えるので、例の如く長文になるかも知れない。その場合は、何記事かに分けるか個別リンクで公表したいと思う。


〜三種の神器〜
まずは歩き遍路にとって、絶対欠かせない物。
それは、やはり次の三点であろう。

【金剛杖】
 卒塔婆(そとば)=要するに墓標代わりである。
危険度の軽減された現在においても、少なからず死と背中合わせな部分は残っている。後述する菅笠(棺桶の蓋)と白装束(死装束)を合せて、行き倒れになった遍路の墓が即席で出来上がる。
 この杖は、(弘法大師)そのものであるから、様々な制約や心構えがあるが、その辺のお約束事に関しては、別の記事にてご紹介しよう。今回は用途に限って集約する。

 まぁそういった理由から、金剛杖には名前を書いておいた方が良い。自分が使用した手作りの杖でも、団体などでごった返す札所の中では、他の遍路の杖と見分けが付かなくなる。普及品だとなおさらだ。
ただ普及品なら、般若心経が写されていないのが、最も安価で900円ぐらいからある。握り手に杖カバーや鈴が付いてたりする物もある。
 自分のは、別に杖カバーを買って、更に握りやすい様にテニス用のグリップを巻いて行った。これは滑らずに大正解だった。ボロくなっても、マメ用のテーピングテープで補修出来る。このグリップは是非、オススメ。

 旅を終えた今となっては、この杖こそ、掛け軸同様に命の次に大切な物となった。この杖がなかったら、絶対に歩けなかったと断言出来る。それほど重要なアイテムだ。具体的な使用方法については、別途記述する。


 ▼自分の場合、気合入れて歩き過ぎて酷使したせいか、このように出発前に比べ何と20cmも減ってしまった。何事に対しても微動だしない自分も、これには驚き。
金剛杖
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▼普及品はこんな感じ。
これなら、カバー付きで900円。






【菅笠】
 先に書いた通り、これは棺桶の蓋代わりだ。
「迷故三界城」〜迷い深き生活では、欲望や観念に囚われ苦しむ
「悟故十方空」〜巡拝によって、心身を浄め迷いから離れる
「本来無北西」〜我を捨て、精進修行すれば徳を得るに至る
「何処有南北」〜我執に囚われず、こだわりを捨てれば人生が開く
四方に四つの偈(げ)が、書かれているのがその証拠。

 歩き遍路において様々な恩恵を受ける菅笠。雨風や強い日射は勿論、山遍路道で飛び出した木の枝や雑木、いが栗など木の実による無差別空爆からも頭を守ってくれる。(笑 煩わしいのか、被らずに背負っている遍路を良く見かけたが、絶対被っていた方が良い。小雨程度なら、合羽を着ずとも平気だ。

 竹笠と呼ばれる物が、最も安く2000円ぐらいからか。内側に頭が固定される台座付きは少々高くなる。自分は出発時に被っていったのは、3,000円の上が凹んだ富士型の菅笠。珍しいのか、旅先で良く「なんで凹んでる?」と訊かれた。放っとけよって感じだが。(笑
 竹よりは軽く破れ難い、また匂いもしない。しかし、記事に書いた通り作りがチャチいからぶっ壊れた。何度も修理を繰り返し、途中で見つけた遍路笠と呼ばれる手作り品に買い変えた。

菅笠は大抵ビニール付だが、これは「完全防水」とご主人が、豪語するだけあって最高の出来栄え。2万円以上する、網代笠と呼ばれる修行僧用と同じ、柿渋塗りの本格仕上げで5000円は安い! オススメは絶対にコレ!出発前に購入すべし!関連記事⇒28番大日寺 逆打ち遍路三十二泊目


【笈摺】
 おいずると読む。どーでもいいがPCでも変換されない。
白衣(びゃくえ)=白装束は、まさしく死に衣装。七分袖付き無地が2000円〜宝号入り(南無大師遍照金剛)2400円。車遍路や夏場なら袖なしもある。この他にも、金糸刺繍やお大師さんが描かれた物など、遍路中に様々な笈摺を見つけた。
 自分は、袖付き宝号入りを二着買ったが、軽量化のため最終的には一着のみ持参して着回し続けたが、どこも破けず結構丈夫。ポケット付きだったので、ペンや納札を入れたりと重宝した。

▼自分が購入した物(2625円⇒2400円)
ここんちは、初めてでも割引が利くからお得やで。




 以上が、いわゆる〜三種の神器〜である。
これこそが遍路姿であり、(四国においては)誰が見ても一目で、【遍路】だと分かる格好の方が、向こうから道を教えてくれたり、お接待に肖れたり、変な道に迷っていても、怪しまれずと良い事尽くめだ。自分はそれでも怪しかったが(笑

 形から入るのは好みではないが、やはり遍路に行くなら最低限この三種の神器を整えるべきであろう。タキシードやスーツを着ると、背筋がシャンとするように、人によっては気が引き締まったり、清々しい気持ちになって巡拝出来るとも云う。
但し、自分もそうだったが、車遍路なら菅笠も金剛杖も要らないと思う。ハッキリ云って、乗り降りや車内で邪魔になるだけだ。歩き遍路にこそ、必須のアイテムと云える。


案の定、三つだけでも長くなった。(笑
お次は、定番品をご紹介しようか。

 これからご紹介する定番の遍路用品は、四国の札所では大抵手に入る。
一番札所霊山寺の記事にも書いたが、順打ちなら手ぶらで四国へ行っても、ここで殆ど揃う。
価格や物にこだわらず、何でもいいって人と霊山寺を儲けさせてあげたい人は参考程度に見て頂戴。(笑


【半袈裟】
 はんげさ。どーでも良いが「けさ」と入力せんと変換しよらん。神仏用語はホンマに困る。僧侶が普段着けてるのが輪袈裟、ちゃんとした時は袈裟=法衣。我々ど素人が着けるのは半袈裟。そこそこ参拝客の居る寺なら、ご近所でも手に入る。自分も先の巡礼時に買った物を持っていたが、四国遍路用に別に買って持参した。

▼これね。因みに紫が昔から大好き。



【数珠】
 これはもうマジでピンキリ。持っている人はわざわざ買う必要はない。
但し、数珠だけは念が入魂されているので、人の物は借りないように。念珠と呼ばれるのはそのためだ。また、宗派によっても多少形状が異なる。
因みに真言宗用は八宗数珠と呼ばれ、どんな宗派でも適合する。原則的にも四国札所は、お大師さん=真言であるので、他宗の寺もあるが真言宗の数珠を用いるとされる。

自分は、秩父巡礼の山越えの際に以前の数珠を失くして、菅笠を被っていても外せるぐらい、首から掛けられる長い物を買い直して行った。しかし結局、汗をかくので普段は外すわ、途中で菅笠も大きくなるわで、あんまし意味が無かった。(笑

▼いっぱいあるから、お好みをどうぞ。



【持鈴】
じれいと読む。魔除け獣除けに用いる。ぶっちゃけ高い方が断然、心の洗われるような美しい音色がする。通常は山谷袋や、腰に着けて鳴らしながら歩くとされる。また、読経の際も本来ならば、句読点として鳴らすのが正式な作法。ただ、僧侶以外そこまでしている遍路は見かけなかった。自分も自宅と宿ではするが、寺ではしていない。

自分は秩父で買った物を持参したら、一回目は鈴の接続部分のネジが外れ、いつの間にか棒だけになっていた(笑。 次に寺で購入したら、今度は折れた。三度目はあまり動かないように、頭陀袋のポケットにしまい込んでいた。

▼これと形は同じだが、寺で買い直したのは3,000円だった。音色が更に良いのだろうか? 音色なんてどうでも良ければ、安い物なら1000円ぐらいであるし、金剛杖に付いている物で兼用する人も居る。



【納経帳】
 ご詠歌入りなのはどーでも良いが、末尾に御影(みえい=お姿)を各寺ごとに、ファイリング出来るページがあるので気に入った。先に巡礼した関東88ヶ所と秩父34観音では、この御影を大切に収納出来ずに困った。
自分の場合、別格二十箇所霊場も必要だったので二冊。マジで重かった(笑。
まぁ、これもピンキリ。小さな物なら軽いし安いし、それでも良いのでは。

▼買ったのはコレ。

〜御影についてチョット一言〜
参拝客の多い四国札所においては、納経所にある御影を自分で頂く場合が多々ある。貰い忘れると、引き帰すのは歩き遍路にとって地獄。くれぐれも注意されたし。


【納経軸】
 ザックに収まりきらないので、雨の日対策など大変だったが、そうして守り続けた分、満願時の喜びもひとしお。これから表装して、床の間にあしらえば一層家宝となろう。また納経帳と違い、一目でご朱印の集まり具合も分かり、大変励みになった。全て揃った暁には、掛け軸自体が八十八ヶ所御本尊曼荼羅となり、いつでも拝む事も出来る。

▼自分が買って持参した物はコレ。
ここんちなら、表装代が5000円引きになる。


▼満願すればこうなる。
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他にも、自分は買ってないが朱印用白衣を持参する団体も多かった。








【山谷袋(頭陀袋)】
 買ったのはいいが、八十八ヶ所と別格の二つの納経帳が入らなかったため、巡礼用ではないがもっとデカい麻の頭陀袋を持参して行った。
ビニールの防水性の物や、線香などが入る実用性のある物、絢爛な法衣のような物まで色々ある。

▼買ったのはコレ、白い方。
般若心経を生地に織り込んだ物も中々良い。



【脚絆と手甲】
持参したが、途中から面倒臭くてしなかった(笑。
脚絆は別に持参した、農作業用のマジックテープ式のを毎日使った。またコレについては、装備品で触れるとしよう。


【納め札・経本・灯明用品】
これらについては、途中の寺で幾らでも買い揃えたり、補充できる。納札入れは買わなかった。事務用のクリップで留めていた。丸型の線香入れは、中々便利やで。

四国八十八ヶ所のご詠歌入り経本は、読者プレゼント第二弾であげるから買わないように(笑。 皆さんのために、東寺で購入してきた「四国遍路御守護」とセットでプレゼント中〜応募の締め切りは、一月末日まででっせ。



 以上で、遍路用品基本編はおしまい。
次回は、いよいよ歩き遍路にとって本筋の、装備品についてをお伝えする予定。楽しみにしてて頂戴。