四国八十八ヶ所と別格二十ヶ所霊場、合せて108ヶ所の巡礼の旅から一週間が過ぎた。ほんの数人にだけ、旅立ち前に四国遍路へ行く事を告げた同じ相手にだけ、挨拶に廻ったり連絡を入れた。

 仕事らしい仕事は当分する気はない。しばらくは旅を振り返り、考え事を続けたいし、10日間も遅れているブログの執筆を追いつかせたい。女房にも、「まだ会社には顔は出さんから、身内以外誰にも戻った事は告げんなや」「ワシが動き出すときはワシから云う。それまで一切会社の話しはすな」そう云ってある。ほとんどロクに口をきいていない。


 左足のかかとから、足首にかけて激痛がまだ酷い。戻ってからほとんど家の中しか歩いてないのに、床にかかとを付けられない。階段も一歩ずつしか昇り降りが出来ない。
薬指より腫れあがった、両足の小指は多少マシになって、今は薬指と同じぐらいまで萎んできた。毎日風呂の中で、脚のマッサージを念入りにやって、風呂から出たらインドメタシンをスプレーして、サポートギアを着けて寝る。歩き遍路中と全く変わらないケアを今でも続けている。

 そのせいか毎晩うなされた、夜中の足の痙攣は徐々に収まってきた。それと振り替えるように、今度は親知らずが腫れて痛い。コイツは、出発前に懸念材料の一つだった。四本あった親知らずの最後の一本が、横倒しになって手前の奥歯にぶつかっている。その隙間に菌が入って化膿するらしい。
歯医者では抜けないので、外科に行かないとダメだそうだ。都合50日近い旅の間、毎晩一生懸命に歯を磨いてケアしたとはいえ、よくも一度も痛まずに、ジ〜ッとしててくれたと褒めてやりたいところだが、やはり痛むとうっとぉしい。疲れたりすると抵抗力が減って、痛み出すらしい。旅を終えて気が抜けた証拠か。




 ご近所の不動寺のご住職へも挨拶に行った。丁度、息子さん(二代目)とお二人ともいらっしゃった。無事の帰還と、44日間の早期満願を称えてくれた。初挑戦+逆打ち+別格入りでは相当早い、と随分お褒めの言葉を頂いた。あまり褒められると図に乗ってしまう。引きずる左足を見て、「アキレス腱は自然完治せんから、早く病院へ行け」とご住職に云われた。

 自分は基本的に、褒められて伸びるタイプだとは思うが、10代から独立し、恩師を持たず生きてきたので、自ら叱咤激励するしかなかった。だが、恐らく本当の自分は、自分のためよりも誰かの喜ぶ顔を見たかったり、誰かの顔を立てたりするために、最も本領を発揮するタイプだと思う。
若い頃からそうだった。自分の事より友人や先輩がナメられるのが許せなかった。後輩が他所モンに殴られたら、自分の名前を出せと云ってきた。それでも殴られたら絶対相手の顔を忘れるなとも。勿論、お礼参りのためだ。・・あ、こんな頃から「お礼参り」って言葉を使っていたのか?(笑

そうそう。自分には妹が四人居るが、こんな話しもある。
妹が泣きながら学校から帰ってきて、生理痛が酷いってのに先生から仮病と云われ、プールに入らされて熱を出したのだ。そんな日にゃあ、ソッコー職員室にバットを持って殴りこみに行った。逃げ出しやがったから、車をボコボコにしてやった。若かったねぇ〜尖りすぎてたわ、あの頃はホンマ(笑。