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三面大黒天

読み難ければ、クリックすると少々は見易くなるかも。






09*24
御影堂(大師堂)の前に立っていた。
弘法大師と大日如来に、再び導かれるように雨の中、また東寺を訪れた。
東海道新幹線の発車時刻は11時。十分間に合うように、早起きして朝食を済ませ、ホテルをチェックアウトした。
京都駅地下の、大型コインロッカーにキャリーを放り込み、コンビニで傘を買い歩いてきた。六寸の、大きな菅傘を被ってはいるが、歩き遍路の時と違って、作務衣に下駄履きだ。濡れたまま新幹線には乗れない。


 実のところを話すと、ゆうべホテルの部屋で、東寺で買った土産を渡す相手ごとに、小分けに整理していると、三冊買った本のうち、一冊が入ってなかったのだ。「あの爺さん、忘れたな〜」
なんやかんやと、バカみたいに沢山買ったので、購買所の爺さんがうっかりしたようだ。受け取った時に、こちらも確認すれば良かったが。
 
 たかが、600円ぐらいの本。本だから、アマゾンでも本屋でも手に入る。
「まぁいいか、また買えば・・わざわざ取りに行く事もない」
最初はそう思った。だがそのあと、あるトラブルが生じる。

普段利用している「JR東日本」の「えきねっと」で予約した新幹線のチケットが、京都駅では受け取れない事が、予約したあと、確認した際に分かった。「えきねっと」は「JR東日本」圏内でしか受け取れないらしい。JR西日本では通用しないのだ。
代わりに「エクスプレスe予約」ってのがあった。すぐ登録しようと思ったら、「J-WESTカード」なる物が必要なんだと。
「そんなモン知るか!第一、作っとるヒマあるかい!」


 全く甚だ面倒臭い。サポートデスクに電話して、散々ゴネたが「予約確認の際に、同意するを選択されると、その件について明記してある、規約を全てお読み頂きご承知頂いたと・・・」の一点張りで、確かにあったので、ムカツクがどーにもならん。

 これに限らず、二次元のネット上での「同意する」は本当にクセもんだ。諸兄方も、規約を端から端までなんぞ、余程時間がある時か、不安材料のあるサイトしか読まんのではないか?
おまけに、キャンセルするか延期するかしかないが、もう翌日なので30%もキャンセル料を取られる。納得できないまま、路線を普段使う上越新幹線へ、東海道から変更した上で、延期処理をした。

 JR西日本のサイトで、カードを作る以外に方法はないか探すと、電話でも予約出来るとあった。すぐに電話を入れると、受付時間が「2分」だけ過ぎていた。翌朝8時まで、電話受付の対応はない。踏んだり蹴ったりで、イライラしまくる。東日本の方は、留意されたし。


 と、まぁ〜そんなワケで、朝っぱら朝食バイキングを喰いながら、8時に電話を入れ予約を取り直した。元々は寝坊するつもりで、新幹線をのんびりした時間に予約した。それがこの騒動と、本の入れ忘れによって、「どーしても、も一回来いっちゅうんですかい?お大師さん」という、気持ちになったのだ。


 だが、東寺へ行って良かった。
五重塔の入り口受付で事情を話し、中へ入れて貰った。講堂へ入ると、購買所の爺さんが「申し訳なかった」と詫びてくれたが、
「いいえ、とんでもありません。こうしてまた、大日如来さまにもお会いできましたし、これもお導きだと」
と、和顔施で逆にお礼を述べた。爺さんは、合掌して見送ってくれた。


「また、お会い出来ましたね・・光栄です。」
再びここへ来れた事に感謝し、恭しく大日如来の正面で、読経を上げた。

無論、帰りに三面大黒天堂に立ち寄り、今度はちゃんと大黒天経を上げた。最後に大師堂へ行き、お大師さんにも感謝。束の間の、再会と別れを名残惜しんだ。



 これで、京都・東寺ともお別れだ。
延べ44日間の歩き遍路と、高野山と東寺。全てで49日間に渡った、四国遍路の旅は、ようやく終わりを告げようとしている。

あとから知ったが、東寺に伝わるご詠歌に
「身は高野山に 心は東寺におさめおく
  大師のちかい あらたなりけり」 と云うのがある。

東寺に10年あまり暮らし、修行道場として高野山を開山した後、東寺と高野山を往復し、密教伝法に心血を捧げ続けた弘法大師。59歳のとき、高野山の金堂が弟子の実慧らの努力によって完成する。この年の万燈会(まんどうえ)の願文にも、有名な一節がある。

 「虚空尽き、衆生尽き、涅槃尽きならば、我が願いも尽きなん」
〜私の願いは、大空がある限り人々がいる限り、涅槃が続く限り尽きる事はないだろう〜


 こうして訳されていても、今の自分には未だ100%理解出来ない。だが、幾つもの偶然が(必然?)が重なったとはいえ、東寺や高野山、果ては弘法大師の事を、深く知れば知るほど、本当にこのとき、東寺へも高野山へも参拝出来て、本当に良かったと思っている。

歩き遍路の記事では、徹底して避けていた、由緒や歴史に関する事も、この〜京都・東寺〜編では、随所に織り込ませて貰った。
自分で覚えておきたいのもあるが、やはり、遍路に旅立つ皆さんに、少しでも深く知って頂き、更に結願への意欲の炎を燃す、起爆剤にして頂ければ幸いである。



感謝合掌