墓参りを無事に終え、王寺駅までまたの〜んびりと歩いた。お財布携帯のSuicaはチャージされているのに、関西ではICACAなので使えない。(いこか)でも(すいか)でも、どっちでもエエやんけ!と思うが、旧国鉄も今は民営化、同じJRでも西日本と東日本は別会社、イチイチ面倒臭い。
 
 ホームで例の如く端っこの方にある、喫煙コーナーに行こうとしたら、若い女のコが端まで行くのが面倒なのか、少し手前の方ででタバコを吸っていて、線路へタバコを投げた。「あぁーっ見たどぉ〜お、誰やねん?面倒臭がってンなトコに捨てとる悪いコは?」「あ?何や?オッサンこそ誰やねん?」うーん中々反抗的で宜しい、可愛いぐらいだ。(笑 
 剃って来た髪の毛は伸び放題で、まだとっつぁんぼうの方がマシなぐらい、小学生の散切り頭。ジャージに数珠と半袈裟をぶら下げ、金剛杖を突いてビッコ引いて歩く自分は、ただの変質者に見えたかも知れん。(笑 そもそも昔は、喫煙コーナーなんぞ無かったし、自分も地下鉄でもどこでも吸っていた。



 ミナミに戻ってきた。
ホテルに向かいながら、往復した列車内で暇潰しに読んだ、ツアー会社のリーフレットを思い出していた。「京の冬の旅」の中に、興味深い内容が書かれていたからだ。それは毎年冬の間、1月12日〜3月18日の期間限定で、京都市内の8寺院10箇所の普段見学出来ない、曼荼羅図・襖絵・秘仏像などが特別公開されると云う物だった。特に、東寺における五重塔を始めとする真言密教美術や建造物、また灌頂院では、密教の奥義を伝授する儀式「伝法灌頂」のしつらえが特別展観出来る、との記述に心惹かれていた。


 「東寺かぁ・・そう云えば、四国遍路を東寺から始めるって人も居ると聞いたな」元々、仏像彫刻に興味があって、東寺の講堂に安置される二十一尊の密教彫像は、前々から是非見たかった。これは空海構想による、日本最古の本格的な仏像群で、最大の羯磨曼荼羅(かつままんだら=曼荼羅を立体で表した物)である。

 リーフレットには他にも、灯篭と花が織り成す幻想的な花灯路も記されてあった。嵐山は17日までで終わっていたが、東山花灯路は3月14日〜23日までだ。「う〜ん・・ならば、3月14日ないし18日の間なら、特別展観と合わせて巡れるなぁ〜」宣伝文句じゃないが、大人になった今、冬の京都は仏教抜きにしても素敵な場所だ。「3月に京都へ来てみるかな・・」中学の遠足かナンかで、清水寺かどこかを訪れては居た。丸山公園や嵐山でデートをした事もある。だがやはり、京都の良さを沁々感じるには、大人にならないと分からない部分が多いかも知れない。


 何はともあれ、このとっつぁんぼうや頭をナンとかしたい!
ホテルに戻ると、自宅からの荷物が届いていた。フロントに頼んであったので部屋に入れてくれてある。デカいダンボールから、いつも出張で使っている赤いキャリーを取り出す。中に入っているのは赤と紫、二着の作務衣と羽織、下着や足袋に下駄などの衣類がメインだ。売るほど持っていたブランド服やジュエリー、小物に至るまで全て文字通り売り払ってきた。ここ数ヶ月の普段着は、もっぱら作務衣だけだ。

歩き遍路に持参した靴下は計七足分、全て穴が開いて捨てた。ようやくまともな格好に着替えて、実に46日振りに遍路姿から開放された。



 地下街に入り、床屋へ急ぐ。
ミナミ以外に、以前行き着けの床屋はあったが、時間がない時など偶に利用した「理容 清水」は、地下街なんばウォークのど真ん中にあって利便性が良い。 待合席でかつての愛読紙、LEONを久々にパラパラとめくる。
 年収一千万以上の高額所得者層をターゲットに「ちょいワル」「モテオヤジ」の流行語を作り出し、自分と同年代の「遊ぶために稼ぐ!」的な男達にバカ売れしている雑誌だ。掲載される服や宝飾品はどれも超高級品ばかり。脇役モデルだったパンツェッタ・ジローラモが、ETV「イタリア語会話」や、この雑誌をきっかけにブレイクした。
 毎月購入していた雑誌は、これと「GENROQ」のみ、これも超高級外車の専門誌だ。どちらもピタッと買わなくなって数ヶ月経つ。 後はビジネス書しか読まなかった。本は元から大好きで、フラッと本屋に行くか若しくは、アマゾンでいつもドカッと十数冊まとめ買いしていた。


 待っている間、熱い蒸しタオルのサービス。灰皿も近くに持ってきてくれ、冷たい水も差し出す。十数年振りに来たが、細かい気配りは変わってないイイ床屋だ。 10人のスタッフが、8脚の椅子に座った客を相手にする忙しい店。 ツルッ剥げにしてくれと頼む。人間の頭皮には、7万ぐらいの毛穴があり10万本の髪が生えている。つまり、一つの毛穴に一本以上の毛髪があるのだが、自分は二本以上ある。しかも剛毛、鼻毛が抜けたらゴキブリの足だかナンだか分からんぐらい。(笑  去年からはずっと坊主頭だが、昔からパンチやパーマをあてる時は(関東はかける)、いつも床屋泣かせだった。 だから、剃るのもスタッフにすれば超大変だ。風呂で自分で剃っても一時間以上かかる。不運にも担当したスタッフは、ムキなぐらい必死に丁寧にしてくれた。帰りにドアを開けてくれたので、「おおきに、少ないけど茶ぁでも飲んでや」と、釣銭をあげた。



 やっとスッキリした。入院中の義理の婆ちゃんは、いつも坊主にする度に「もっと伸ばして七三分けでもしたら」と云うので、この機会に少しなら伸ばしてやろうとも思ったが、申し訳ないが我慢出来なかった。それに七三は絶対ムリ!(笑

 床屋を出たその足で、まだ呑まない内に昨日見つけたお大師さんの元へ。寺務所のお婆ちゃんに色々お話しを伺うと、この竹林寺は摂津國八十八ヶ所の第30番札所だそうだ。 初めて耳にする霊場だ、それにしても全国に一体幾つあるのか?

 現在の近畿地方は昔「摂津」「河内」「大和」「山城」「和泉」の五つの国から成り立っていた。その内の「摂津」は今の大阪市、大阪府北部、兵庫の一部を指す。 歴史的には江戸時代中期に、月海上人によって開創されたらしくそう古くはない。
しかし、熱心な弘法大師信仰に支えられ、近畿地方の中心的な霊場として、当時大変な賑わいを見せたと云う。 現在では大阪、神戸、京都の関西三大都市に囲まれ、アクセスなど利便性に優れた霊場として、この竹林寺のような繁華街のど真ん中、ビルの谷間にある寺から、深い木立に佇む自然に包まれた山寺もあり、実にバラエティーに富んでいる。


「う〜〜〜〜ん、摂津國八十八ヶ所かぁ・・行きたいなぁ」
その半分以上にあたる、第59番札所までが全て大阪府下に存在する。大阪出身の自分にとっては、どこもかしこも懐かしい場所巡りの旅にも成り得そうだ。懲りずにまた早々にも、遍路の旅へ発心したくなってきた。(笑



 ほとほと記事が長くなって申し訳ない。
あと一点だけ書かせてお願い!(笑。 皆さんのためにもう一軒、美味いお好み焼き屋を紹介しよう。と云いながら、また脱線したらご勘弁を。 この日に行った店は「やき然」。 ここも知る人ぞ知る、味の名店だ。一階はカウンター、二階が座敷。一押しの「名物モダン焼」は990円でボリュームたっぷり。この店のお好み焼きは、殆ど専用の小さい鉄板でそのまま出される。酒のつまみには「ホルモン焼」750円や、「横丁焼」玉子入りデラックスが、たったの290円で安くて美味い!超オススメ。 少々仕切りの高い店が並ぶ、法善寺横町にあってバリュープライスの店。場所はこちら♪


子供の頃、よじ登ったり水をぶっ掛けて遊んで怒られたのが、有名な法善寺横町の水
掛け不動尊とは、この夜に初めて知った。神仏に目覚め発心するまでは、本当に何もかも無知で無関心な神仏に対して、全く無礼極まる男だった。