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我が街ミナミに帰ってきたが、如何せん遍路姿のままじゃどーにもならん。 せめて、遍路笠と笈摺を取りたい、それから本来は食事の際も取り外すべき、半袈裟と数珠など法具を脱ぎ去ろうと、とりあえずホテルへ戻った。

女房に頼んである、作務衣などの荷物は明日、このホテルに届く手筈になっている。朝から全く、歩いてないに等しいので、腹もまだ減らない。 この御堂筋ホテルには、ミナミのど真ん中にあるのに、天然温泉の大浴場がある。それも安さと一緒に選んだ理由だ。 今回の旅の予定は、明日の墓参りで全て終了だ。 ここに居る4日間は、毎日温泉に浸かって脚を癒やそうと思う。


出発前に作った計画書では、62日間で四国を離れる、つまり小正月まで帰らないつもりだった。 それが20日弱も早く終わってしまった。別に急いだつもりはない。急ぐ理由も全くなかった。自分の会社も家族も半ば捨てて旅立ったのだから。 こんなに早く打ち終わった要因は、次の三つ。一つは計画書において、一日に歩く距離は30km程度に留めていた事と、歩行速度を3.5kmで算出していた事。

それが実際は、最高60/日で平均40Km/日、歩行速度も平均5Km以上と大幅に伸びた。二つ目は、計画書で廻るつもりだった奥の院や、石鎚山を飛ばした事。三つ目は、日々限界に挑戦し、自分自身に打ち勝って、闘い続けた事。やはり、これが最大の要因ではないか。 だから、全然慌てて帰る事も帰るつもりもない。

大浴場は男女入れ替え制。男は8時までで交代、あと一時間もない。 風呂は後にしてとにかく外出しよう。私服は白のジャージ上下しかない、胸に十三仏の梵字が入った巡拝ブルゾンを羽織り、夜のミナミへ飛び出す。


 もう終わったんだ、今日ばかりは何をしても許されるのだ。(ホンマかい?誰が決めてん? 笑 )焼き肉も死ぬほど食いたい、好きなバーボンも飲みたい、酒池肉林で豪遊しまくりたい、したい事だらけで何から手を付けるか混乱するほどだ。もしかして今、目が血走ってんじゃないか?

 新宿からは既に、義兄弟たちが祝いに駆け付けている。彼らもミナミの男たちだ、自分が19歳で二人が17歳と16歳のガキんちょの頃からの付き合い。熱き忠誠心の、最も信頼する自分の両腕だ。共に何度も修羅場を潜り抜け、血反吐を流し泥を噛んで泣いた事もなる。 しかし、逸る気持ちを抑えるつもりは全くないが、今夜は巡礼最終日、もう少しだけ一人で居たい。兄弟たちには少し待って貰い、ブラブラと行く当ても無く、ネオンきらめく界隈を、懐かしみながら歩いた。



明け方に良くコーヒーを飲んだ「木村屋」、挨拶しに行ったら廃棄していた。 いつも客席で寝ていたあの婆さん、ついに亡くなったか… 懐かしい店が一つ消えてしまい残念だ。 老舗の洋食屋、「自由軒」は健在していた。 女将は必ずレジで「さんきゅー」と云う。全く変わってないが、いつの間にか禁煙になっている。
「懐かしいわぁ〜アンタ生きてたん?」「じゃかましわい、いつから禁煙なんぞしとんねん?」「いやぁ、今そんな時代やさかいなぁ」「ウソつけ!分煙にすんの面倒クサがっとるだけやろ!エエねん、女将ぃ〜そんな今時の風潮、イチイチ真似なんぞせんでも」「バレたぁ?やっぱしぃ」「バレバレやっちゅうねん!」

くだらん会話のあと、子供の頃から良く食べた、「合いの子ビフカツ」とビールを注文。ただ、ビーフカツ定食にオムレツが乗っかっているだけ。何と何の「合いの子」なのかは、未だに分からん。 子供の頃は、腹一杯になったのに、櫃ご飯を食ってたせいか全然足りない。
今、住んでいる群馬は、国内で最も多い大型店舗の実験地方にもなっている、群馬に多く存在する郊外型外食チェーンは、どこも殆どお代わり自由だ。 都内でも、リーマン相手のハイボリューム、ロープライスの店は多い。
30年前と変わらぬメニュー、安い!とは決して云えない価格。 食い道楽大阪いえど、時代遅れを感じる。 欧米化が加速する現代の、食生活で日本人の胃は肥大している。 若い子たちの舌も肥える。

これでは、ウマイ食い物を期待して、地方からグルメツアーに来ても、ガックリするんじゃないだろうか? 食道楽の大阪の明日は厳しい。


全然足りない気がして、次はお好み焼き屋「ゆかり」へ。大阪には8千店舗のお好み焼き屋があると云われる。その中でも全国展開しているのは、「風月」「千房」「ぼてじゅう」ぐらいだ。後は、家族経営や大阪市内だけなど小規模の展開店だ。 だが、反ってそうゆう店の方が、昔ながらの味にバラつきがない。ここの焼きそばもそうだ、太い玉子麺をダシで茹で上げる。粘りのあるまったりしたソース。炒め方も上手い。風月と 五分の勝負が出来るほど美味い。 風月は、お台場や新宿で喰えるので、ここで喰いたかった。

余談だが、大阪人は殆どお好み焼きを自分では焼かない。というより、責任を持って焼く店が圧倒的だ。子供の頃、早く食べたいから触ると、怒られる婆ちゃんの店もあった。鶴橋が本店の、風月の初代婆ちゃんもそうだった。亡くなってから、権利を譲渡したのか知らんが、急に全国展開に踏出した。お好み焼きを焼くのは簡単ではない。店によって、ネタの配合も違うから焼き加減もマチマチだ。もんじゃ焼きで慣れてんのか知らんが、関東のお好み焼き屋は殆ど、自分でやらされるので食う気がしない。

最近は、慣れたというか諦めたが、たまに「焼きます」と書いある店でも、鉄板に乗せたら「焼けたら裏返して下さい」という。「オイ!待てや、アホか!裏返すんが難しいんやろうが!こんなモン、焼いた内に入るか!ナメとんのか?ボケ!」と、群馬に引越し立ての頃は、年中ケンカしてた。


ゆかりに話しを戻すが、豚肉がたっぷり入った、ぶ厚いとんぺい焼きが580円、イカ焼きそばは650円。それにまたビールを注文する。ここは安くてボリューム満点だ。 ランチなら、同じ値段でメシと味噌汁が付く。 関東人の女房は変人がるが、大阪は喫茶店メニューでも、焼きそば定食は普通。ナポリタン定食もある。ラーメン定食なら関東にもあるのだから、別におかしいとは思わんが。 ただ自分は個人的に、昔からお好み焼きとメシは食わない。子供の頃はおやつ、大人になったらつまみで、お好み焼きはおかずにはならない。
場所はミナミなら、ビッグカメラとアムザの前を千日前通りを渡り、商店街に入った右の二件目。今、書きながらHPがあればリンク入れてあげようと開いたら、ナンと秋葉原にも店があった!メチャ嬉しい!「お好み焼き ゆかり」はココでっせぇ!


満足して店を出ると、目の前に「弘法大師 竹林寺」と書かれた寺があって驚いた。ここに寺があるのは知っていたが、何万回と通った道なのに、全く信仰に無関心だった。つい、思わず入ってしまい、いつの間にか読経を上げていた。 二件で呑んでいるので、願意は一切なし。 ここなら近いし、大阪に居る間は通える。明日は呑まない内に訪れよう。


ぶらぶら千日前筋商店街へ戻る。宗右衛門町や三ツ寺界隈は、毎晩呑み歩いた。今夜も後で行くだろうから、あまり知らない千日前の裏通りや。外れの路地をグネグネ闊歩する。歌舞伎町やミナミは、全く知らない人は裏道に入らない方がいい。 面白そうな店はなかった、そろそろ待っている兄弟たちに電話しようかと思いきや、中国式マッサージを見つけた。断っておくが、お色気ナシの店よ。(笑

昨日のマッサージも、気休めにしかならず、痙攣が激しかった。 だが、香港で受けた時は効いたので、入ってみた。 片言の日本語を話す、中国人女性が三人。 コースにはなかったが、足だけのマッサージを頼む。 サポーターや、テーピングテープを全部外すのは、面倒だったが最初にハーブの湯に足を漬ける。 次に人差し指を拳のように曲げ、グイグイ押し付ける。 メチャクチャ痛い! 台湾でも経験したが、日本のとは全く違う。 30分3000円、値段の割りに内容が濃かった。 こりゃ効くかも?


マッサージを出てから、喫茶店英国屋でコーヒーとシフォンケーキを食う。これも昔からあって美味い。 さぁ、ホテルに帰ろう。明日はいつもの四時半起きで、六時半の電車に乗って墓参りだ。 ・・・という事にしといて、ここからは秘密♪ 貴殿が想像し得る、酒池肉林の世界にお任せします。(笑