020f6340.jpg
09beaae3.jpg
777b934d.jpg
画像
芋を掘り出した穴
子供が立てそうな位

画像
つるで竹に縛り付ける

画像
川で地鶏をさばいて洗う


13*40芋掘り現場
赤土にしかないという、根まで黒い竹を初めて見た。他では黒くならないそうだ。


こんな固い土へ入っていって成長した芋は、強い粘りが出るらしい。


画像で分かり難いが、斜面を掘るより、平らな場所の方が大変だという。
その代わり、人に掘られず、大物に出会えるそうだ。


特に、今回のは数年に一度の大物だそうで、身丈ほど掘る必要があるらしい。

一緒に掘っているのは、ハーレー仲間の人。本業はトンネル工事の作業員、掘削のプロだ。(笑)


「最近まで、土葬だったから、よくこうして掘った」と話す、例えがスゴい。


山芋は、毎年腐り養分が吸収され肥えて行くんだと。インドア都会人の自分には、何もかも知らない事だらけで覚えきれない。


ムカゴという、山芋の実は炒めると美味いらしい。生でも、ちゃんと山芋の味がした。
芋に雄雌があるなんて、みんな知ってた?


余りに大きいので、写真に収めるのだと、慎重に掘って行く様は、まるで遺跡発掘のようだった。


二人とも実にパワフルで、見たことすらない、専用の七つ道具をとっかえひっかえ、次々と土をかきあげて行く。


結果、150cm強の大物が姿を表した。市場価格一万以上するらしい。


何も手伝えず、申し訳ないので、穴を埋め戻すのだけは、やらせて頂いた。

軽トラに積み込み、村へ戻りながら、道行く仲間に見せびらかす。



次は、川で地鶏の解体。既に別の仲間が、血を抜き毛はむしられていた。

最後は津蟹と呼ばれる、上海カニと同種の沢蟹。
海水と混ざる下流付近に、産卵で雨の勢いに乗って下ってきたのを捕獲し、綺麗な湧き水が出る場所で、しばらく飼って置くそうだ。何とかぼちゃで育てると美味いらしい。


真水を入れたバケツに移し、まな板でかき回して洗い、目が回ってる内に、石臼で潰していく。
冷ました、昆布かつおだしで伸ばし、裏ごしして煮る。手の込んだ、男たちの郷土料理だ。



風呂に入らと言われ、お借りする。細かい一切は制約なし。宿より何も言わない。タオルも全部、自由に使わせてくれ、長湯しなとまで言い添えて下さる。


後で、芋掘り名人も入る。みんな家族内でもある。流石に地元名士、奥さん共々懐は大きい。


宴会が始まり、わさわさ15人ぐらいの仲間が集まり、と家族で、リビングは熱気で溢れ出す。


会長は、全員に自分を紹介してくれた。多種多様な職業の、ハーレー仲間が一人一人、横に来て話しかけてくる。会長の中学の先生まで居る。


息子さんが冗談混じりに、この人の横だけは行かないようにと一人、口が悪く荒っぽいのが居た。
この手のイケイケは、男気が強い。似ている気がすると、自分から肩を叩くと、すぐさま打ち解けた。
娘の写メを見せると、みな可愛い紹介しろと言う。(笑)


皆、酒が強いので本気で付き合わない方が良いと、度々息子さんが心配してくれるが、建築をやっている時に、職人たちと散々付き合い酒を交わしたし、40度のバーボンをロックで朝まで呑み続けてきた自分には、ビールはお茶代わりだ。


四国のど真ん中、坂本竜馬の国、土佐こそ土佐男。
四国でも、ここは極端に訛りが強く、大阪弁より早口で、所々聞き取れない。


蟹は小さい物を、スープにして、裏ごししたエキスがお椀の中で、花のように広がっていた。会長が一番見せたかったと、説明してくれる。不思議な現象だ。大きい蟹は、ボイルして食べた。爪に長いふわふわな毛が生えてる。


宴会は9時過ぎまで続いた。酒も進み、会長は自分にもたれかかって寝てしまった。今でもパワフルな会長は、10年前に胃ガンになるまで、もっと体格が良かったらしい。

一人、また一人帰って行き、最後は奥さんがコーヒーを入れて下さり、身の上話を聞いた。


大阪堺市出身の奥さんは、あまりに環境の違う田舎暮らしに、当初随分戸惑ったという。

宴会中、会話中もタクシー無線が入り、その度に、手慣れた調子で配車をこなす。料理の準備から、立ったり座ったり、ロクに食べてないんじゃないだろうか。

気苦労を労うと、創業者の会長のお義母さんの方が大変だった。良くやられていたと、敬い謙遜する。
町会議員も務める会長、選挙の時が一番大変だそうだ。


365日、深夜零時まで無線と電話は鳴るそうだ。それでは寝ている時以外、ずっと仕事ではないか。
この奥さんの後ろ立てがあってこそ、会長はハーレーに乗れ、そして仲間が集まる。何と素晴らしいご夫婦なんだ。




「高野山まで行ったら戻ってこい。春でも夏でも家族を連れて。横の繋がりを大事にせないかん」

「ここに居る、仲間全員が今日と変わらず、君を迎えてやるから」

そう、会長は何度も何度も言って下さった。


今まで自分には、敵か部下しか存在しなかった。弱肉強食、いき馬の目を抜く世界で、完全縦の付き合いしか知らなかった。


ワンマン経営の会社、離れていく社員も友人も少なくなかった。だが、20年以上の忠誠心深い部下も二人居る。それでいい。


群れるのは性に合わない、一人でいい。相談する相手なんか要らない、孤独を愛するほど強くなければ、勝って行けないと生きてきた。


全く知らなかった世界を目の当たりにして、人様の情に触れ、目頭が熱くなる。


タクシー代の2万8千円どころか、何百万何千万出しても、金で買えない、心の宝を戴いた。

忘れられない、貴重な1日。この家は、別格21番、四国89番、心の札所となった。




e275044c.jpg
dfd7682c.jpg
2db1b22f.jpg

92b03acc.jpg