今回は泊まりで、明日までで満願する予定。

いつもように5時起きすれば、朝の勤行を済ませても、6時には出発〜*8時から巡拝出来る予定だった。*(大体、どこも同じようだが秩父は巡礼連合会で巡拝時間は午前8時〜午後5時までと決められている)

せっかくなので、出来ればいつものように、近所の不動寺へ寄って、もしかしたら仕上がっている金剛杖を持参して行きたいが、バタバタしてると立ち寄る時間がないかも知れないな・・


と、思いきや、この日に限って寝坊した。
しかも、一時間半も!頭に来て頭に来て
最近、以前より増して自分に腹が立って仕方が無い。「心厳」という、自分を厳しく律する意味の道号(戒名の一部)を頂いたせいだけではなく、何故か以前のように自分を愛せないでいる。

あれだけ、自分大好き人間で、自信家で、野心家で、ナルシストにも見られがちな程だったのにも関わらず、だ。


人はなぜ、巡礼するのだろうか・・・
神仏に身心を捧げ、こうして巡礼を重ね、心の洗浄を始めたのも、様々な迷いから自信や自分の人生そのものを、失いかけたからかも知れない。私のように、そんな思いにかられて巡礼を発願する人も、きっと他にもいらっしゃるのではと思う。


自分に腹立たしい事もそうだが、もう一つ最近感じる事は、今回のように寝坊して失敗したと思っても、その後の結果が良くなる事が多くなった。これも神々や御仏、お大師様のご加護のおかげだと深く感謝の気持ちでいられるようになった。

というのも、寝坊した御蔭?で、行きに不動寺へ寄ってみたら、待望の金剛杖が出来上がっていた!お遍路用と観音巡礼用の二本を注文していたが、ご住職のお心遣いでお遍路用は長く太い仕様に仕上がっていた。お遍路は八十八ヶ所、三十三箇所が殆どの観音巡礼よりも歩くからだそうだ。心から合掌して受け取り、いざ出発!


ナビに昨日の続きで、10番を入れてみたがどうやら、ほぼ初日(1番へ向かうルート)と変わらない様子。ならば、1番へ立ち寄り、関東八十八ヶ所遍路の時は、入山さえしなかったのが、今回は何故?か真面目に勤行をこなす妻の為に、半袈裟と笈吊を購入して行く事にした。ついでに昨日、貰い忘れた御影(お姿)も頂いて準備万端、足早に10番へ急ぐ。


▼二日目の全ルート

十番 大慈寺(だいじじ)⇒十一番 常楽寺(じょうらくじ)⇒十二番 野坂寺(のさかじ)⇒二十六番 円融寺(えんゆうじ)⇒二十七番 大渕寺(だいえんじ)⇒二十八番 橋立堂(はしだてどう)⇒二十九番 長泉院(ちょうせんいん)⇒三十番 法雲寺(ほううんじ)⇒二十五番 久昌寺(きゅうしょうじ)⇒二十四番 法泉寺(ほうせんじ)⇒十三番 慈眼寺(じげんじ)⇒十四番 今宮坊(いまみやぼう)⇒十五番 少林寺(しょうりんじ)
以上、13箇所巡礼。


印象的だったのは、26番から27番への山越え。
ここは、是非歩きたかったところ。
運転手がいる場合は先に27番へ車を移動して貰うといい。
26番の観音堂(岩井堂)は本堂から、少し離れたところにあり、昭和電工のもろ工場内(道路らしいが、どう見ても一般者が入りずらい)を戸惑いながら抜けていく。

観音堂への行き方は二通りある。入り口が二手に分かれ、右側がストレートに観音堂へと続く三百段の石段。左側が、村社琴平神社を通過していくルート。
二十六番 円融寺の納経所で、世話人さんが左は初めての人には厳しいかもと聞いていたので、あえて左に行くしかない。目の前に立ちはだかる急な石段を登っていく。


琴平神社の本殿を抜けると、どんどん道が狭くなり、人が一人通れるほどな登山道になる。縦看板にはナンとか登山コースと書いてある。
元々、山登りがすきな人にはこうした遍路道は、何とも感じないだろうが、スニーカーさえ持っておらず、革靴人生だった私には格好の修行道となりえる。


崖の上に立つ、観音堂を参拝して更に裏山にある石像を目指し、険しい道を登っていくと、修行者たちが利用していた堂のような物がありました。流石にここまで上がってくる巡礼者はいなさそうで、何組かの登山者とすれ違いました。あとで分かりましたが、この登山者の人たちも実は登山を楽しみながら、巡礼をしているようで、数珠さえ持ち歩いてはいませんし、お経も唱えるわけではないのですが、ご朱印は集めているようでした。そういうのもありなんですね。

観音堂に下りて、いよいよ27番まで山越えします。
この道の27番寄りに、高さ15メートルの護国観音像がある。ちょっとわかりずらかったが、見上げた観音さまから振り返ると、秩父盆地が一遍に見渡せる素晴らしい眺めだった。手前の岩井堂裏手の登山道であった、親子はここで昼食をとっていた。あとで聞いたら、親父さんは二度目で前回、12月に来たら落ち葉がいっぱいで歩きやすかったらしい。
うん、今度は自分もここで弁当を食べよう!


この日は、巡拝可能時間の5時まできっちり巡り、いつもの如く行き当たりバッタリの宿探し。明日は16番スタートだ、あまりこの付近から離れられない。秩父駅近くの観光案内で聞くと、温泉旅館などはもう一杯で、お花畑駅の傍に民宿が一件あるという。二食ついて一人7500円は安い。しかも13番の目の前らしい、朝の勤行も出来るではないか!即答して電話一本入れて貰い、宿へ向かう。

決してキレイとはいえない家族経営の小さな宿、共同トイレ、4〜5人入れる家族風呂。遍路には充分ではないか。この手の民宿に泊まるなんて何年ぶりだろうか。一流ホテルに一流旅館。思えば馬鹿なほど贅沢をしてきたものだ。
とはいえ、料理は天ぷらに刺身に煮物に焼き物、汁物がついてキノコご飯、しかも部屋出しだ。素朴な手料理の旨さに櫃ごとご飯を食べた。


都内から電車で来る場合、降りた駅から最も近い寺は、この目の前の13番なので、ここをスタートにする遍路ツアーもあるそうだ。そうかそれで納得。昨日巡拝したときにやけに13番には遍路用品が揃ってるなと思ってた。
でも、スタートにされるとこの民宿にはあまり泊り客は居ないかも知れないな・・そう考えると、翌朝「二周目も利用させてもらいます!」と、和顔施で宿を後にしたのだった。