皆さん、こんにちわ。北斗法蓮です。
ここのところ、続けざまに聖天信仰における重要な日々の行事。すなわち、勤行(ごんぎょう=いわゆる、お勤め)の中で、聖天様の絶大なる功徳に関する、和讃(わさん)をご紹介してきました。本日のお題目は【聖天五段講莚】≒聖天講式。一日の中では一番最後、在家聖天聖徒の皆さんでは一般的に就寝前にお祈りする三座目の勤行、まぁ謂わばお経です。

ただ、聞き慣れぬ現代では普段使いしない言葉や、仏教的専門用語も出て参りますが。和讃と同じく日本語で書かれておりますので、漢字ばかりでフリガナの必須な経典と違い、幾分解り良いかと思います。惣禮(そうらい)から始まり、用法(ようほう)に続き、第一段〜第五段まであります。五段に分けられた講莚は、何れも聖天様の功徳と神力を讃える内容ではありますが、本日は中でも現世利益を求める我々に、そりゃあもぉ最も打って付けの内容となっております、【第三段】を敢えてご紹介しようかと思います。過去記事【聖天五段講莚】
一段二段、三段四段、五段

歓喜天秘佛像

その前に少々、勉強の寄り道致しましょう。
この【聖天講式】は、興教大師御作と書されております。ご近所に真言宗豊山派(ぶさんは)豊と云う文字を、(ぶ)とはちょっと知らんと読めまへんけどね。のお寺を見かけておると御存知かもですが 、拙僧が修行出自した高野山真言宗のお寺には、弘法大師のお像が大抵お庭に安置されておるように、豊山派のお寺には興教大師のお像が建てられておりますですやろ。

興教大師(こうきょうだいし)覚鑁(かくばん)とは、弘法大師遍照金剛空海大阿闍梨が入定(にゅうじょう)=涅槃入りされて、三百年後に金剛峯寺の座主(ざす)に選任され、49歳の若さで生涯を閉じるまで、鳥羽上皇の庇護の下大伝法院(だいでんぼういん)=道場と、密厳院(みつごんいん)を建立するも、我が国の仏教界は当時、腐敗と堕落を極めており、東寺側の憤激、高野山内保守派の反発、恨み、嫉みの刃が覚鑁に向けられた。

そのため両座主を辞任、密厳院に隠棲(いんせい)して1446日、凡そ四年間に及ぶ無言三昧(むごんざんまい)の行に入り、代表的著作『五輪九字明秘密釈(ごりんくじみょうひみつしゃく)』を著する。更にその四年後、金剛峯寺と大伝法院の所領境界の争いから反対派の不満が爆発、凶刃を逃れ隠退した先が紀州根来山。

その後、戦国時代の戦禍により、根来寺を離れた弟子の専誉僧正(せんよ そうじょう)は、豊臣秀長によって奈良の長谷寺に招かれ豊山派をおこし、長谷寺は学山として栄える。もう、お気づきのとおり、豊山派の派名は長谷寺の山号「豊山ぶさん」に由来している。もうひとつ、分派独立を繰り返してきた歴史を持つ真言宗は現在、凡そ五十の宗派があると謂われるが、主要な派閥は十八宗派。

大別すると興教大師以前の高野山や、東寺を中心とする潮流を組むものを古義真言宗と称する。真言宗の最大門派「高野山真言宗」は無論、古義に属し、他に東寺真言宗、真言宗善通寺派など、さらに多岐に分かれる。対して、興教大師以降の根来山を中心とした流れを新義真言宗と称する。企業で云えば膿を絞り出す大革命、大再建を見事に果たしたと云える、興教大師。「真言宗中興の祖」と呼ばれるのは、その功績によるものだ。この新義真言宗はやがて奈良長谷寺を中心とした豊山派と、京都の智積院を中心とした智山派とに分かれてゆく。


さて、本日のお題目。
【聖天五段講莚】聖天講式 第三段(令和二年改正)
『第三に誓願の殊勝なるを明かすと論ずるは。経に曰く、上品(じょうぼん)に、我れを持(じ)すれば我れ、人中(じんちゅう)の王たるを与え。中品(ちゅうぼん)に、我れを持すれば我れ、帝(てい)の師たるを与え。下品(げぼん)に、我れを持すれば我れ、富貴無窮(ふうきむきゅう*窮=ぐ可)なるを、まずは直ちに望む者に望むまま与えんと云々。有難や』

『亦曰く若し人、ほぼ全ての諸天の為に捨てられても、我れさえ想えば即時に悉地を現じて皆円満すと云々。当に知るべし此の天の利生(りしょう)の方便だけは自余(じよ)八十余億の仏神に、はるか超過す。』

『観(おもんみ)れば夫れ、人間の栄耀と云い、世間の運命と云い、諸神を頼むと雖(いえど)も、諸神は非禮(ひれい)を受けざるの故に非拠(ひしょ)を求めれば丹誠(たんせい)しばしば空し。』

『諸佛を仰ぐと雖も、諸佛は宿習(しゅくじゅう)に由るの故に、宿善無き者は、素懐(そかい)達し難し。低頭(ていず)合掌の功、ただただ徒(いたずら)に心身を労し、朝祈暮賽(ちょうきぼさい)の勤め、ただただ幣帛(へいはく)を費やすが常なり。』

『然るに此の歓喜天王だけは否や、さに非ず尚、無慙(むざん)の悪人、愚人すらも捨て賜わず。賢父(けんぷ)の愚子(ぐし)を憐れむに相同じ。況(いわん)や有縁(うえん)の行者に和順すること、宛(あたか)も明王の忠臣に任ずるが如し。』

『於戯(嗚呼・・)加すべき加するは是、諸佛神の通例なり。加すまじきを加するこそは、唯(ただ)、大聖天様だけの特別な別願に限れり。当に神の王なり、故に神の天(かみ)なり
茲(これ)に因って貧乏の族(やから)、名号を唱えれば直ちに望むがまま豊稔(ほうねん)の歓花(かんか)に誇(ほご)り、卑賤(ひせん)の輩、信心を凝らせば即ち高貴の官班(かんぱん)に登る。』

『大小(たいしょう)顕密の学侶、各々法楽を致して以って其の業(わざ)を遂げ、詩歌管弦(しいかかんげん)の好士(こうし)、互いに技能を振ってその名を揚ぐ。』

『肆(かるがゆえ)に、大願を発(おこ)すの人は、先ず此の尊に帰して満足せしむ。大名を期するの人は、専ら此の天を仰いで宿望を達し、古今勝計(ここんしょうけい)すべからず。』

『緇素男女(しそなんにょ)の肩を差(まじ)うるや、堂上(どうじょう)花の如く。老少親疎(ろうしょうしんそ)の志を運ぶや門前(もんぜん)市(いち)を、成(な)す。』

『霊天の誓願、殊勝なること、此れを以って知るべし。悉地成就の速疾(そくしつ)なること、之を以って察すべし。仍って伽陀を唱えて禮拝を行ずべし。』

以上です。能々この聖天様の絶大無比なるご神力を鑑みて日々ご精進くださいませ。

ぜひ、一度はPC版でもご覧ください。
本日の講釈はこの辺にて。ほな、さいなら。
毎度おおきに。有難う御座いました。
平素ご高覧に感謝致します。

結願
全世界核廃絶武装解除 Prayers for World Peace.
全人類が共に尊み、共に助けあい、共に慈しみ合いますように
We've to do Heavenly Rapture Pure Land construction.
皆さんに聖天様のご加護賜りますこと。日々祈念致します。

感謝合掌 北斗法蓮