前稿(ぜんこう)の続きです。
群馬人には、前稿が前橋(まえばし)に見えるかもですね。
そう思う私も、すっかり立派な群馬人なのでしょうか。でも、、(ボチボチもぉええやろ、、)そう思い始めた今日この頃です。

さて、前稿の"五恩への感謝"を終えると、五体投地の前にまだやる事があります。次は宣誓と淨化です。


◆宣誓(淨化=禊の儀)
ここでは終始、宇宙佛・大日如来を観想します。仏像や仏画があれば良いですが、なくとも絵葉書(東寺のものは迫力あり)やイラスト、切り抜きなどでも代用して構いません。阿字観行の出来る方は、毛筆した阿の字だけでもいいですね。また、九字護身法の出来る方はここに挿入されるといいでしょう。

お持ちであれば右手に金剛杵(こんごうしょ)、左手に金剛鈴を構えます。金剛杵について、私は師僧・小林阿闍梨からお譲り頂いた三鈷杵(さんこしょ)を使用しておりますが、独鈷杵(どっこしょ)でも、五鈷杵(ごこしょ)でも差し支えありません。

金剛鈴をゆっくり鳴らしつつ、金剛杵を高くかざし、次の文言を唱えながら順に、右肩、脳天、心臓へと当てていきます。

『大日如来よ、天地宇宙より我に御仏の御力を貸し与え給え』
『大日如来よ、天地宇宙より我に御仏の御智慧を貸し与え給え』
『大日如来よ、天地宇宙より我に御仏の御心を貸し与え給え』

次に、金剛杵で脳天から身体の中心をなぞるように淨めます。タイミング良く金剛鈴を鳴らし浄化していきましょう。

『我が煩悩のチャクラを浄化し給え、六根罪障一切清浄(ろっこんざいしょういっさいしょうじょう)×三遍』

『貪(むさぼ)りの心、瞋(いか)りの心、愚痴の心、三毒を洗い流し給え。』*百八つの煩悩の中で、この三毒が最も私たち凡夫を苦しめる要因となっているのですが、気にされる事はありません。誰しも持つものですし、煩悩のない坊さんにも未だ会った事はないのですから。

肝心なのは、その煩悩とどう付き合うかです。空海然り、親鸞然り、日蓮然り。日本の高僧は皆、非常に強い煩悩を抱えていたと思います。然し、世の中を良くしよう。人を救いたいと思う気持ちを行動に表すには、煩悩と云うエネルギーが必要なのです。私はこれを煩悩のレバレッジと呼んでいます。

その為にも三毒と云う、仏教語に集約してしてしまわず、ご自分なりに改めたいことを具体的に唱えてもいいのです。

例えば、ついついよくウソをついてしまいがちな人、見得っぱりな人、あれもコレも欲しい強欲な人、、などは、『怠りの心、偽りの心、まやかしの心、見得の心、誤魔化しの心、私利私欲の心、、洗い流し給え』と、云う風にです。

やがて不思議と小さな欲に囚われず、落ち着きを保てるようになり、今まで自分の望んでいた事が如何に小さなものなのか、生き様を正しく行きたくなります。仏の前に坐すと云うことは、自分自身と向き合う絶好の機会とも云えるのです。

次に、金剛鈴を置き、右手の金剛杵と左手で自分のへそを包むように気を集めていきます。大日如来は観想したままです。

『如来は大宇宙なり、さらば我も人も小宇宙なり』
『如来は我らなり、さらば我も人も如来の子なり』

次に、淨め集めた気を一気に頭上から淨化したばかりの全身に浴びせます。

『我が煩悩は小楽に非ず、小欲に非ず。我が煩悩は大欲大安楽なり、即ち御仏の大慈大悲菩提心なり。我が煩悩を淨化、転化、昇華させ、御仏の境地へと秘密荘厳心へと誘い給え。』

『我れ人ともに、一切衆生が救われんがため。』
『遍離一切私欲 請求一切衆生幸福 密厳国土悉地成就、、厭離穢土欣求密厳歓喜天浄土。』

次に、金剛杵を大日如来を観想する対象物へと振りかざし、ご真言を七遍唱えます。

『アビラウンケン、アビラウンケン、アビラウンケン、、、』

最後に、解穢真言(ぐえしんごん)を七遍唱えながら、両手を胸から頭上へ向かい上げてゆき、真言に合わせて七遍、弾指(たんじ=指をはじき鳴らすこと)します。
解穢真言(ぐえしんごん)とは、特に穢れを嫌われる天部の神に対して必須のお淨めの儀です。
『オン クロダノウ ウン ジャク、オン クロダノウ ウン ジャク、オン クロダノウ ウン ジャク、、』


次回は、天部降神の儀です。

本日もご愛読おおきに
誠に有難う御座いました。

願わくばこの功徳を以って遍く一切に及ぼし
我らと衆生と皆共に仏道を成じ尊天上様に導かれんこと尊き道や

感謝合掌
北斗 法蓮 百拝