冠省
皆さん。こんにちわ。
本日もご訪問、誠に有難う御座います。
この度のえにし(ご縁)に、心より感謝致します。

初めてお遭いする方へ。
私は生涯、人生の歩き遍路・北斗法蓮。
そして私は生涯、悪態不良且つ悪漢坊主でありましょう。

元・外道だった私が、勝手乍ら独断毒舌でお話しをさせて戴きながらも、
この地球の未来を支える子供たちに、希望の光明と為るべく仏道のイノベー
ションを目指す、それが本稿【心を洗う神仏とえにしの旅】なるエッコラム。
では、第428稿の始まり始まりぃ〜。


さてさて今回は、ご存知の方はご存知の、ご近所の不動寺のお話し。
15日のこと。私はいつもの如く、家中の盛り塩・米・酒を交換し、ドタバタと
午後から家を出ました。
榊は暑くなって、非常に日持ちが悪くなってきたので、ここ何回かからは、前日で
はなく当日(1日と15日)に、買いに行くようにしておるのです。この日はたま
たま、他の買出しも重なっておって少々気が競っておりました。

不動寺は、我家をテリトリーとする、この地を安住する産土神・五霊神社を元々、
管理しておった関係で、幹線道路を挟んで五霊神社と向かい側にあります。
恐らく、昔は地続きだったんでしょうね。幹線道路にぶった切られてますが今は。
それでかどうか知りませんが、もう50年前に橋爪ご住職が就任されたときは、五
霊神社の管理はされてなかったらしいです。


兎に角、毎月二回。この五霊神社と不動寺を参るのだけは、如何に現在の状況がど
うであっても、ご近所でもあることですし、キチンと続けておるのです。
歩き遍路に出る前は、不動寺には毎朝トレーニングも兼ねて歩きで行き、向かい側
へ渡る歩道橋を何往復もしたり、隣にある高層マンションの非常階段を最上階まで
登ったり、或いはそのまま8キロほど離れた観音山まで行き、白衣観音(関東八十
八ヶ所一番札所:慈眼寺)の足元にある、清水寺の500段の石段を、何度も登っ
たりしておりました。こうして書くだけでも懐かしいですね。

不動寺は、待乳山の朝参り会のように、特に一般信徒にも開放されていないにも関
わらず、ご住職が私の顔を見かけると、「入んな。」と、こんな私なども快く朝の
勤行などをご一緒させて戴いたりしておりました。


そんなこんなで、この日も参ったワケです。
境内には大きな杉が何本もあり、ちょうど植木職人さんが何人も居て、樹木たちの
手入れの最中でしたが、どうやらご住職は居なそうです。
心の中で、(今日はマズイ。忙しいから見つからない内に、お参りを終わらせよう
・・。)そう、密かに企みながら修行大師像の前で、持参した墓参り用の線香の半
分を供えて一頻り心経などを唱え、残り半分を持ってお向かいの聖観音像で観音経
偈文を唱え、さぁ、本堂前で愛染経を・・と、その瞬間。

ガラッ!と、本堂の扉が開き、ご住職いきなり出現。
「よぉー、どしたい?その格好?」と、第一声。良かった、いつもの「上がんなっ」
じゃなくてと、すぐさま、「いえ、これから買出しなんですよ。」と、いちおー?
外出用ステテコ上下に、(勿論、ノーパンだけど(笑)エプロン姿を説明し、「そ
れじゃ、私はこれで。」と、振り向こうとしたら、必殺「上がってきな。」。

・・って、人の話し聴いてんかい!?(笑
買いモンに行くっつってんのに全く。でも、そう思いながらも、「はい、それじゃ
あ少しだけ。」と、そそくさ上がるしかない、しがない坊主見習いの法蓮です。


ご住職がせっかく、わざわざ御灯明に火を燈して下さったので、ご本尊の聖観音
(ここは、不動寺と云いながら本尊は、聖観音。愛染明王と不動明王が脇侍。なぜ
だか、ご住職も知らん!と云ってる。)の前で、また観音経偈文を唱える。
ご住職は真後ろで聞いてる。間違えられない。勿論、ここんトコ長いこと経本は持
ち歩いてない。落ち着いて、淡々と唱えた。

済んでから、椅子まで引っ張りだしてきてくれて、まーまーどーだい最近?って話
しになった。完全に人の話しは聴いてない(笑。
ご住職はもう、御歳70歳。近頃、体中が云うことを聞かないらしく、風邪をこじ
らせてる上に、喉にポリープも出来たと云う。

ご住職は以前、美しい声明も能く聴かせて下さった。
「俺はお経なんかより、和讃のが好きなんだよね。」と、朝でもお経は軽く済ませ
て和讃を沢山唄われる。それがまた、大変お上手なのだ。毎週水曜日には、檀家さ
んを集めて和讃や声明を教えておられる。
通っているオバちゃんが、「和尚!難しいわぁ〜これ。」と云うと、「いや、そりゃ
アンタの覚えが悪いんだよ。」と、一喝する。
風邪にしちゃあ、妙に身体がダルいと、医者に行きゃあ〜行ったで「ご住職、もし
かしたら、インフルエンザかも知れませんよ。」と医者に云われたら、「それが分
かんねーから、ここへ来てるんだよ。アンタがソレ聞いてどうすんだ?」
「それがアンタらの仕事だろ?」と、即座に切り返す。

この毒舌やデカイ態度がきっと、ご住職と私が気の合う、最大の理由かも知れない
(笑。いや、それにしても、あの上手な美しい和讃や声明が聴けなくなったりした
ら、多くの人に多くの損失となろう。是非、キチンと治して戴きたいものです。


そーいや、理趣経の中抜き(二段から十七段まで一気にワープする、高野山真言宗・
究極の奥義(笑。即ち、初段を終え⇒いきなり百字の偈から。)これもこちらで教
わってからと云うもの、ついつい、しょっちゅう「今日は中抜きさせて下さい。」
と、自宅における勤行でも端折ってしまうクセがついた。いいんか悪いんか(笑。

30代であろう息子さんも副住職として居るのだが、ご住職が引退を促すと、
「いや、親父まだゆっくりでいいよ。」と、云われたらしい。
「そりゃちょっとイケませんね〜。早く面倒観てくれよ!って、云えばいいじゃ
ないですか。」私はそう、ご住職に云った。

「今、何でも独りでやってるからね。疲れんだよね。」
そんなコトを云うので訊くと、驚いたことに奥さんは一年ぐらい前に出てったらし
い。 昨今、寺院でも熟年離婚の危機が迫っているのか?
然し、仏道を歩むものならもう少し思慮深く・・と、自分の夫婦関係を棚に上げて、
こう訊いてしまった。「奥さんは、仏門とは全く関係のなかった方で?」すると、
立派な僧籍を持たれてて、「俺なんかより、色々持ってるよぉ免状を。」と云う。

訊くと、托鉢なども高野山からチャンと免状などがあるらしく、更に3〜40年前
の当時は高野山において、住職に万一の事態があった時のために、配偶者はたった
二週間の修行でまるで合宿免許のように免許皆伝、それなりの僧籍が貰えたらしい。

「それなのに、出てっちゃマズイですよね。」
夫婦の事は夫婦しか分からないから、犬すら喰わない。分かっていて敢えて肩を持
った。「ダメなんだよぉ〜買いモンばっかしてぇ。」とご住職。んー、大体その辺
が原因か。時間も圧してることだし、私は話題を替え、せっかく伺ったんだからと、
前々から教えて欲しかった、愛染明王を祀るお経を教わろうと思い訊ねた。

今、私が毎朝読誦しているのは、仏説愛染明王陀羅尼経と云う、至ってシンプルで
短いお経である。瑜祗経以外に、特にあったら知りたかった。然し、期待した回答
は、その場では得られなかった。

兎に角、そんなチョンガ状態で身体を悪くされてると、かなり心配なので、「隣に
住んでる息子さんに、お嫁さん何日か借りるぞ。って云えばいいじゃないですか。」
と云うと、「いやぁ〜子供も二人、まだ小さいからね。それにこっちの様子なんか
分かりゃしないよ〜」と、ご住職。

息子さん世帯は、同じ敷地だが建物はべっこに住んでいる。
然し、こんなに往生してるのになぁ・・と、私は相当、ご住職を不憫に思った。
この70御歳で家事洗濯は大変だ。しかも、御具合も悪い。
「栄養あるモン、ちゃんと食べてますか?」と訊くと、「うーん。フレッセィに能
く行くよ。あそこで弁当買ってる。」と云うではないか。
フレッセィとは、私の自宅の方が近いスーパーのこと。もう驚愕に近くなってきた。

「ちゃんと食べて下さいよぉご住職さま。あ、私も今、専業主夫してんですよ。料
理も毎日作って息子とかに食わせてますよ。」私は少しでも和まそうと、おどけて
見せてそう云うと、「アンタ、手広くやってた会社はどしたんだい?」と訊かれた。
「いやぁ〜もう全部売っちゃいましたぁ〜。もうホントは、仕事もウチもどうでも
イイんですぅ。仏さまさえ居れば。」
アタマに手をやりながらもそう返すしかない。ほとんど本当のことだし(笑。


この寺のご近所には、多くの檀家さんが居る。その人たちを、盆暮れ正月法事と束
ねる、この辺の誰もが知ってる寺の和尚さん。
然し寺院経営と云っても、その生活の中身はフツーの一般人、俗世に生きるものた
ちと同じだ。私が私寺を開山したら、ここだけは絶対に切り離したい部分でもある。

自分の家族と、信徒さん。どっちを取るのか?
「私と仕事とどっちが大事なのよ!」的な問答でもあるが、それよりも遥かに深刻
な場面だと自分は捉えている。
そんな選択に迫られた時、私は間違いなく迷う事無く、信徒さんを選ぶであろう。
そのためにも、色々と準備しておかねばならないことや、処理しておくべき問題が
まだまだ山積でもある。


そして今日ってか、20日月曜日のこと。
どうもご住職のお身体が心配で、買出し日のこともあって、先に薬局で栄養剤を買
い持参した。また間が悪いことに、ここへ来るのは買出しの日だ。この偶然は、一
体なぜなんだ?(笑。
裏庭から、そっと抜き足差し足で忍び寄る。堂々と行けよ(笑。すると、窓辺にご
住職の背中が見えた。息子さんでも居たら、渡しておこうと思ったが、この瞬間に
もろくも撃沈した。

ガラッ。「こんちわー。如何ですか?御具合は?」
「おぅ上がってきな。」出た!(笑。「今、インディージョーンズ観てたんだよぉ
、これ面白いから。」と、云うので振り向くと、いつの間にか大画面のアクオスが
あるではないか。しかもフルスペックハイビジョン。やっぱ坊主は儲かるなぁ〜(笑。

「イイのがあるじゃないですかぁ〜いつ買ったんですコレ?」
「最新じゃないですかぁ〜いいなぁ〜。」「う〜ん、前のが壊れちゃってねぇ〜」
って、ホンマかい?(笑。
「これ、飲んで下さい。安かったんで。」私は栄養剤三本セットを、薬局の袋ごと
ご住職にやった。「なにコレ?こんなの飲んだら死んじゃうよ。」死なないから。
そのまんまのが死ぬってば(笑。

あれから五日が経っているが、依然、ゴホゴホと時折咳き込む。心配だ、喉は痛く
ないんだろうか。息子さんもいらっしゃって、お茶を出して下さった。奥へ二人で
引っ込んだと思ったら、10センチ以上あろうブ厚い経本を持って来られて、「愛
染経は中々ないんだよなぁ〜これにも載ってない。また探しといてやるよ。」と、
仰って下さった。

「今は、ナニ読んでるんだい?」と訊かれたので、前にも答えたような気もするが、
だいぶ増えてるしな・・と、「はい。朝は、心経・観音経全文・十一面陀羅尼経・
使咒法経・大黒天神経・愛染明王陀羅尼経・理趣経ですかね。夜は・・」と云いか
けると、「そんな読んでんかい?夜も読んでんのか?」とされるので、「はい。朝
は一時間半ぐらいですかね。早口で読んで。ゆっくりだと二時間かかりますから。
夜は、偈文や弥陀讃などなんで一時間ぐらいですが。」「ほぉーそりゃえれーな。」
と感心された。自分はそれでもまだ、フツー以下だと思ってるが。

群馬弁は同じ関東弁でも、語尾をこう延ばすのが特徴。他にも群馬特有の方言はあ
るが、全体的には昔の江戸弁に近いような気がする。群馬弁が言葉が汚いと云われ
るのは、そのせいかも知れない。


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そこで画像の小さな掛軸を戴いた。
高野山総本山 金剛峯寺・管長大僧正 書の【吉福】と書かれてある。
中には、釈文としての金箔紙が入っており、『(吉福とは、)吉と福の二重の幸せ
がある、大変めでたいことを言う。』と書かれてある。

「どうしたんですか?コレ。またドナタからか、戴きモンなんじゃないんですか?」
以前、いつだったか、高野山の何たらって高僧が書いたってものも戴いたことがあ
る。そんときも、「いや、気に入んないんだよね。あの何たら。」と云っていた。
くれる理由がいつも面白い(笑。
今回のも、「これは和讃で呼ばれたときに貰ったヤツで・・あん時の管長は誰だっけ
なぁ〜」と、相変わらずいい加減(笑。

「そんなイイんですか?表彰に呼ばれたような記念のモンなら戴けませんよぉ。」
「イインだよイイんだよ。どっか飾ってくんない。」「それじゃ早速、我家の仏殿
に飾らせて戴きます。」と、飾ったのが次の画像。まーそんな感じの一日でした。


本日もご訪問・ご愛読、心より厚く御礼(おんれい)申し上げます。
有難う御座いました。 蒼々


我が願い尽き果てようとも、他益願うは尽きることなからん。
我ら一同等しく、この願い思い祈りが、一人でも多くの方に回向しますように。
願以此功徳 普及於一切 我等與衆生 皆共成仏道

厭離穢土欣求密厳浄土

感謝合掌
法蓮 百拝



〜編集後記〜
【南国鳥さんへ】
それは本当に良かったですね。
私は自らは、聖天さまを求めたワケではなく、私と聖天さまを
紡いで下さったのは、ご存知のようにテルさんです。

然し、結果論ではありますが、そうして出遭えた聖天さまであったからこそ
私の信心は揺ぎ無いものとなり、今もこうして皆さんとお話出来るのであります。

即ち、無意識であっても、私が本当に仏道家としての道を歩めるのか否かすらも
聖天さまは全てお見通しの上で、私の前にご降臨されたのです。

これがお導き。そんな、えにしこそが本当の仏縁ともなるものであります。
これからも互いに良い信心、精進を重ねて参りましょう。


【音羽さんへ】
お忙しそうで何よりです。
ところで、Lさんは喜んで下さってましたかね?(笑。