91f9aa90.jpg画像は、『高野山真言宗壇信徒手帳』である。左が2008年版、右が来年2009年版。
中身は、4ページから14ページまでの、11ページ分を除けば全て同じ。
そのページには何が書いてあるかというと、2008年版が『真魚少年の苦悩と理想』大師の願い その一と題されている。2009年版は、大師の願い その二になるわけだが、題目が『三教指帰・仏道修行』とされている。
わずか11ページだが、中々読み応えがあって、「三教指帰に見られる仏教観」や、「お大師さまの出家宣言」などについて細かく書かれている。また機会があればご紹介したいと思う。


今回はその中から、仏前勤行次第をご紹介しませう。
高野山真言宗の檀家は勿論だろうが、自分も毎朝の勤行はこれに沿って修している。
同じ真言宗でも、東寺や智山派、豊山派など宗派によって内容は若干異なる。

勤行次第については何度かご紹介していると思うが、今回敢えてご紹介するのは、この勤行次第では、
日本語で分かりやすく噛み砕いた書かれ方がされているので、例えば懺悔文で「我昔所造諸悪業 皆由無始貪瞋痴・・・」と
スラスラ唱えられるようになっても、その意味が分からないままでは、いつまでも心の入りようがない。
そこでこの勤行次第のように、「無始(むし)よりこの方 貪瞋痴(とんじんち)の煩悩にまつわれて 身と口と意(こころ)とに・・・」
と、砕いて前置きがあると、その後にくる「我昔所造諸悪業 皆由無始貪瞋痴・・・」も意味が飲み込めて、心も移入しやすい。
お経は心で唱えるもの。事務的でもなければ、仕事でもない。まぁそんなことを少しでも感じながら、また考えながらご利用して下されば幸いである。
またこれから四国遍路へ行かれる方などは、この勤行次第を覚えておくと随分と楽になると思う。


『高野山真言宗 仏前勤行次第』
○合掌礼拝(がっしょうらいはい)
「恭しく御仏を礼拝し奉る」
*五体投地、坐して略式三礼(三回礼拝)は随意。
*おん さるば たたーがた はんなまんなのう きゃろみ *三遍


○先ず 懺悔(さんげ)
無始(むし)よりこの方 貪瞋痴(とんじんち)の煩悩にまつわれて 身と口と意(こころ)とに
造るところの もろもろの つみとがを みな悉く 懺悔し奉る

我昔所造諸悪業 皆由無始貪瞋痴
がしゃくしょじょうしょあくごう かいゆむしとんじんち
従身語意之所生 一切我今皆懺悔
じゅうしんごいししょしょう いっさいがこんかいさんげ

○次に 三帰(さんき) *三遍
この身 今生(こんじょう)より 未来際(みらいさい)を尽くすまで 
深く三宝(さんぼう)に 帰依(きえ)し奉らん

弟子某甲 尽未来際 帰依仏 帰依法 帰依僧  
でしむこう じんみらいさい きえぶつ きえほう きえそう

○次に 三竟(さんきょう) *三遍
この身 今生より 未来際を尽くすまで ひたすら三宝に 帰依し奉り 
とこしなえに かわることなからん

弟子某甲 尽未来際 帰依仏竟 帰依法竟 帰依僧竟 
でしむこう じんみらいさい きえぶっきょう きえほうきょう きえそうきょう

○次に十善戒(じゅうぜんかい) *三遍
この身 今生より 未来際を尽くすまで 十善の 御教えを 守り奉らん
弟子某甲 尽未来際 不殺生 不偸盗 不邪淫 不妄語
でしむこう じんみらいさい ふせっしょう ふちゅうとう ふじゃいん ふもうご
不綺語 不悪口 不両舌 不慳貪 不瞋恚 不邪見 
ふきご ふあっく ふりょうぜつ ふけんどん ふしんに ふじゃけん

○次に 発菩提心(ほつぼだいしん) *三遍
白浄(びゃくじょう)の信心を 発(お)こして 無上(むじょう)の菩提(ぼだい)を求む
願わくは 自他もろともに仏の道を悟りて 生死(しょうじ)の海を渡り 解脱(げだつ)の彼岸に到らん

おんぼうじ しった ぼだはだやみ    ×3

○次に 三摩耶戒(さんまやかい) *三遍
我らは 御仏の子なり ひとえに 如来大悲の本誓(ほんぜい)を仰いで 不二(ふに)の浄信(じょうしん)に安住し
菩薩利他(ぼさつりた)の行業(ぎょうごう)を励みて 法身(みほとけ)の慧命(いのち)を相続し奉らん

おん さんまや さとばん  ×3

○次に 開経偈(かいきょうげ)
無上甚深微妙(むじょうじんじんみみょう)の法は 百千万劫(ひゃくせんまんごう)にも遭(あ)い遇(あ)うこと かたし 
我いま 見聞(けんもん)し 受持(じゅじ)することを得たり 願わくは 如来の真実義を 解(げ)し奉らん

○次に 理趣経、観音経など随意

○次に 般若心経
般若心経は 仏教の精要(せいよう) 密蔵(みつぞう)の肝心なり
このゆえに 誦持講供(じゅじこうく)すれば 苦を抜き 楽を与え
修習思惟(しゅうじゅうしゆい)すれば 道(どう)を得 通(つう)を起こす 
まことにこれ 世間の闇を照らす 明燈(みょうとう)にして
生死(しょうじ)の海を渡す船筏(いかだ)なり 
深く讃仰(さんごう)し 至心(ししん)に 読誦(どくじゅ)し奉る

般若心経 一巻

佛説摩訶般若波羅蜜多心経
ぶっせつまーかーはんにゃーはーらーみーたーしんぎょう
観自在菩薩 行深般若波羅蜜多時 照見五蘊皆空
かんじーざいぼーさー ぎょうじんはんにゃーはーらーみーたじー しょーけんごううんかいくー
度一切苦厄 舎利子 色不異空 空不異色 色即是空
どーいっさいくーやく しゃーりーしー しきふーいーくー くーふーいーしき しきそくぜーくー
空即是色 受想行識 亦復如是 舎利子 是諸法空相
くーそくぜーしき じゅーそーぎょーしき やくぶーにょーぜー しゃーりーしー ぜーしょーほうくーそう
不生不滅不垢不浄不増不減 是故空中無色
ふーしょうふーめつふーくーふーじょうふーぞうふーげん ぜーこーくーじゅうむーしき
無受想行識 無眼耳鼻舌身意 無色声香味触法
むーじゅーそうぎょうしき むーげんにーびーぜっしんい むーしきしょうこうみーそくほう  
無眼界 乃至無意識界 無無明亦無無明尽 乃至無老死
むーげんかい むーいーしきかい むーむーみょうやくむーむーみょうじん ないしーむーろうしー
亦無老死尽 無苦集滅道 無智亦無得以無所得故
やくむーろーしーじん むーくーじゅうめつどう むーちーやくむーとくいーむーしょーとっこー
菩提薩埵 依般若波羅蜜多故 心無罣碍無罣碍故
ぼーだいさったー えーはんにゃーはーらーみーたーこー しんむーけいげーむーけいげーこー
無有恐怖遠離一切 顛倒夢想究竟涅槃三世諸仏
むーうーくーふーおんりーいっさい てんどーむーそうくーぎょうねーはんさんぜーしょーぶつ
依般若波羅蜜多故 得阿耨多羅三藐三菩提
えーはんにゃーはーらーみーたーこー とくあーのくたーらーさんみゃくさんぼーだい
故知般若波羅蜜多 是大神呪是大明呪 是無上呪
こーちーはんやーはーらーみーたー ぜーだいじんしゅーぜーだいみょうしゅー ぜーむーじょうしゅー
是無等等 呪能除一切苦 真実不虚故説 
ぜーむーとうどう しゅーのうじょーいっさいくー しんじつふーこーこーせつ
般若波羅蜜多呪 即説呪曰 
はんやーはーらーみーたーしゅ そくせつしゅーわつ 
羯諦羯諦波羅羯諦 波羅僧羯諦菩提娑婆訶 般若心経
ぎゃーてーぎゃーてーはーらーぎゃーてー はらそうぎゃーてーぼーでぃそわか はんにゃしんぎょう


○次に 十三仏真言 各三遍
1、 不動明王   のうまくさんまんだ ばざら だん せんだ まかろしゃだ そわたや うんたらた かんまん
2、 釈迦如来   のうまくさんまんだ ぼだなん ばく
3、 文殊菩薩   おん あらはしゃのう
4、 普賢菩薩   おん さんまや さとばん
5、 地蔵菩薩   おん かかかび さんまえい そわか
6、 弥勒菩薩   おん まいたれいや そわか
7、 薬師如来   おん ころころ せんだり まとうぎ そわか
8、 観世音菩薩  おん あろりきゃ そわか
9、 勢至菩薩   おん さんざんさく そわか
10、阿弥陀如来  おん あみりた ていせい から うん
11、阿閃如来 おん あきしゅびや うん
12、大日如来   おん あびらうんけん ばざら だとばん
13、虚空蔵菩薩  のうぼう あきゃしゃ きゃらばや おんありきゃ まりぼり そわか

*他にご本尊ご真言など


*真言宗の勤行において、十三仏真言をお唱えするのは、お亡くなりになった霊を弔う追善供養の大きな意義があるお経。
そういう意味においても、他に特に信仰するご本尊などいらっしゃる場合は、十三仏真言と重なっていても分けられた方が良い。
印の結べる人は、是非印を結びながら唱えよう。十三仏の印の画像はこちら


○次に 光明真言(こうみょうしんごん) *三遍
唱え奉る光明真言は 大日普門(だいにちふもん)の万徳(まんどく)を二十三字に集めたり 
おのれを空(むな)しゅうして 一心にとなえたてまつれば みほとけの光明に 照らされて
三妄(まよい)の霧おのずからはれ 浄心(じょうしん)の玉 明らかにして 真如(しんにょ)の月 まどかならん

 おん あぼきゃ べいろしゃのう まかぼだら まに はんどま じんばら はらばりたや うん


○次に 御宝号(ごほうごう) *三遍 或いは七遍
高野(たかの)の山に身をとどめ 救いの み手を垂れたもう おしえのみおやに 帰依したてまつる
願わくは 無明長夜(むみょうじょうや)の闇路(やみじ)を照らし 二仏中間(にぶつちゅうげん)の我等を導きたまえ

 なむだいしへんじょうこんごう
 南無大師遍照金剛 

*お大師さまに特に話したい、祈願したいときはこの際に


○次に 祈願文
至心発願 天長地久 即身成仏 密厳国土
しーしんほつがん てんじょうきーきゅう そくしんじょうぶつ みつごんこくど
風雨順時 五穀豊饒 万邦協和 諸人快楽
ふううーじゅんじー ごーこくぶーにょう ばんぽうきょうわ しょーにんけーらく
乃至法界 平等利益
ないしーほうかい びょうどうりーやく


○次に 回向
願わくは この功徳(くどく)をもって あまねく一切に及ぼし
われらと衆生(しゅじょう)とみなともに仏道(ぶつどう )を成(じょう)ぜん

願以此功徳(がんにしくどく) 普及於一切(ふぎゅうおいっさい)
我等與衆生(がとうよしゅじょう) 皆共成佛道(かいぐじょうぶつどう)


以上